2014年8月2日土曜日

近江は遠いうみ

奈良市は朝から小雨。台風居るんで仕方ないんですが、なんで週末に来るんだろうと理不尽な苛立ち。

珍しく朝一から使えたので思い切って琵琶湖でカヤック初漕ぎ。雨雲見てると滋賀県の真中以北は比較的影響少なそう。それも午後になると怪しくなると言うことで7時半に出発。

初漕ぎは緊急を考え近江八幡の沿岸コースと決めています。今回はバウのフレームを繋ぎ直したので尚更です。往路は比較的順調に10時に到着。曇空ですがたくさんの人が遊泳に来ています。早速組立開始。流石に手順は慣れていますが、ラダーのワイヤの動きが悪い。チューブの中まで潤滑油は入れてないからなあと思いながらフレームを入れてキールを固定しテンションかけてワイヤ引っ張ったらビクともしません。あー、ワイヤチューブがフレームに押さえられているなあと、フレームを揺さぶりますが変わらず。こうなると急がば回れで折角入れたフレームを取り出しワイヤ引っ張るとやっぱ動かない。うーん、なによ。チューブごと引っ張ったりゴソゴソしてるとある瞬間にズボッと動きました。ワイヤの一部に緩やかな曲がり癖がついたみたいで、それが引っ掛かっていたんですね。長期保管の場合は時々出してほぐしてあげる必要があるみたいです。ラダーのワイヤはスキンと一緒にぐるぐる巻きになって保管するので余計ですね。

んな事で組立と準備に1時間を要し、11時出航。風も穏やかで曇ってる以外はOK。第一岬を回ってその先の小石の転がる浜に一旦着岸。毎年初漕ぎはぎこちないです。各部異常無さそうなのでそのまま離岸し沿岸沿いを漕いでゆきます。向い風、自転車では天敵ですがカヤックでは向い風(波)の方が漕ぎ易いのです。第2岬を回った湾部は風が遮られるので湖面も穏やか。アオサギ・シロサギ・トンビを眺めながら、まったりパドリング。サギってギャアギャア鳴くので人(ひと)気のない場所ではまるでジュラシックパークです。飛び方も翼竜そっくりだし。

第3岬を回ると急に波風が強くなります。長い湖面を風が舐めて出来る波ですね。見張り役のアオサギが岩に立っています。近づくと「ギャア」と何事かを告げて飛んでゆきます。太陽がないので浅いところ以外では水の中は見通せません。巨大な洗岩が多いのでラダーも上げて乗り上げないようゆっくり漕ぎます。琵琶湖にはまだ未調査の湖底遺跡が多いと聞きます。こんな綺麗に四角い大岩が自然にあったとは思いにくいですし、アオサギは何かを守っているのでしょうか。湖底から立ち上がる藻の群れの中に、古代の武将がすっくと立っていても不思議はありません。「そこの小舟、やたら水を掻き回すでない」 藻のように私の背筋も伸びてしまいました。

そのまま湾内?にある小さな浜に着岸。キリスト教関連の保養施設があるみたいですが、人が居るのを見たのは過去1度だけ。浜の端っこをちょっと拝借し、積んできた3脚椅子に座ってコンビニおにぎりで昼食。カヤックの良い所はいろいろ積み込める点です。私のカフナはシーカヤックでは小さい方ですがPayload:136kgとカタログにありますから2,3泊のキャンプツーリングもOKです。次第に風が強くなってきました。琵琶湖は午前午後で風が急変する事珍しくなく、かつてこの浜から進めなくなったトラウマがある私は、バタバタと出航。波は既にドンブラコ状態。帰路は追い波になりますが、第3岬を回るまでは左舷斜め後から風波が来る為ラダーで当舵とって漕ぎます。波がお尻を追い抜いてバウが持ち上がっては沈み、白波立てて進みます。

第3岬を越えてからは幾分マシになりましたが、やっぱ追い波は漕ぎにくいわ。途中からは雨がポツポツ降ってきました。どの道ずぶ濡れなんでどうって事ないんですが、分解作業時に大雨だと困るので、着岸休憩も1回にして宮ヶ浜に戻ってきました。熱中症にはなりそうもない天候の中、漕げただけ有難いというものでした。帰路もずっと雨。瀬田名物の渋滞に嵌り、帰りに要した時間は3時間半。近江は近いうみと書きますが、実感として遠いっす。

実際は「あふみ:淡海」からきているそうですね。え?淡の海? いやー、琵琶湖が沈んでその形が上下反転して淡路島が浮き上がった?と信じる近畿人は少なくないと思うのですが、やっぱり淡が海(湖)になったらビワコで、それが陸(路)になったら淡路かい!

謎はアワの様には消えません。


追い波に追い抜かれ
対岸の比良山系は雲の中


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