2015年9月30日水曜日

とびしま海道を往く

ツアー2日目は今治港から「せきぜんフェリー」で岡村島へ。ここから呉までが「とびしま海道」です。

見上げる 来島海峡大橋 
今治は曇り、風で肌寒い感じでしたが岡村港に着く頃にはすっかり青空。文句あるかとお陽様が笑っています。今日はツアー全員が一列縦隊で軽やかに走り出し。海沿いを走ってすぐに第1景勝ポイント「かっぱ・うさぎ岩」で集合写真。浜は白砂、水はエメラルド、ここ本当に瀬戸内海?って言う位の澄んだビーチでした。但し、どこが「かっぱ」でどこが「うさぎ」なのか結局判らずじまいで出発。

うさぎとかっぱ は、リゾートなのだ
陽射しを浴びながら最初の橋を渡ると、路上に県境サインって言うか手書きで「広島」「愛媛」て書いてます。素朴過ぎて見落とすことは無さそう。更に橋が連続し小島を抜けて大崎下島へ。速度は20km代前半で、ペースメーカーのスタッフIさんが、皆の状況考えて抑えてくれてる様子。私には丁度良いスピードでした。少し走ってジュース休憩。出荷場のような倉庫の片隅に素朴なジューサーが2台。搾りたての大盛りみかんジュースが1杯100円。駅のジューススタンドだと3倍はしますよ。勿論めっちゃフレッシュ、生きてるって素敵。

そしてすぐに「御手洗」の町並み。トイレではなく昔々、船の潮待ち・風待ちで栄えた入江港町だそうです。お茶屋・文具屋・時計屋など時代に幅はあるものの、レトロな建物がそのまま残って、良い散歩コース。狭い狭い路地にはまり込んでじーっとしていると、いつも間にかタイムスリップしてしまいそう。ネコも夢見の町並みでした。

ここからは海沿いの快適ロードを疾走。崖の上から落ちてきたドングリが路面で光ります。心地よいカーブをいくつも抜けて島を半周すると豊浜大橋。間延びしていた縦列が坂にかかるとキュッと縮まり、そしてまた伸びてゆきます。橋を渡ると豊島。少し走って漁港の脇の空き地で停車。ここから恒例?らしいタイムトライアル。一定間隔で2.9kmを走ってタイムを計測。勿論私は初体験。「スタート!」なんて言われるのも高校の体育祭以来。最初は40km位まで上げたものの、どうして良いか判らない。前の背中が見えてきてこのままでは追いついてしまう、これはいかんとスピードダウン。すると更にまた背中が。結局団子状態でいつの間にかゴールを通過。結果は推して知るべしです。失礼仕りました。

T.T後のひととき

実はこんなにきれいな海の傍
一同ヘロヘロながら次の橋に挑みます。だらだら坂を登って豊島大橋、そしてトンネル。初めて猫目HL-460の明るさを実感しました。トンネルを出て下り坂。気持ち良く飛ばしていたら登坂。みんな先程の疲労でヘーコラ走行。坂のてっぺんからの景色は素晴らしかったのですが、縦列は伸び切って集合に10分はかかったような。しかし、これで不思議な一体感が生まれた気がしたのは私だけでしょうか。

特筆すべきはレンタサイクルで参加したお嬢さん。ロードは初めてヘルメットも初めて。しかもルイガノのアルミバイクは入門機。これで皆と同じ距離を走破し、この坂もクリア。もうイヤとか言ってましたが(私だって坂は嫌です。上りも下りも)これに懲りず是非マイバイクを調達して続けて欲しいものです。

坂のてっぺんには絶景が待ってました
再び海沿いの快適ロード。沖合の貨物船が同じ速度で進んでゆきます。仮面ライダーが戦う?採石場を横目に緩やかにカーブ。コンクリート塀から垣間見える波は透明で、底の石たちが陽を浴びて輝きます。あー海の傍にいるなあと溜息まで出てしまうこの時間の惜しさ。前方に坂が見えてきました。下蒲刈島へ渡る蒲刈大橋へのアプローチです。橋はトラス橋。渡って”&”のように降りてゆくと海駅三之瀬に到着し「じゃこ天」休憩。あつあつの「じゃこ天」を揚げてくれます。お向かいの「タコ天」も人気でした。「海の駅」ではなく「海駅」って所が歴史を証明しています。御番所(海保?)があったのですね。

かき揚げになりそうな自転車たち
しばし休憩の後、最後の坂を登って安芸灘大橋。1km強の橋で、自動車は有料のため料金所があります。自転車をよっこらしょと歩道に移し、坂を下るとR185。本州の呉市到着です。東に暫く走ると川尻港駐車場に観光バス発見。ここが2日間の海道ツーリング終点でした。

バスドライバーKさんにも感謝
とびしま海道走行は46.3km。実走行時間は2hr23minでした。再び自転車をバスのお腹に入れて帰路につきます。私はすぐに眠ってしまい気が付いたら山陽道の福山SA。どういう訳かここを出発後、車内でDVD上映が始まりタイトルは福山主演の「そして父になる」。シャレか?と思ってたのが翌日福山結婚。ひゃー誰か霊感あったのか? バスは20時に大阪、21時に奈良に到着し、夢のような2日間が終わったのでした。スタッフ並びに同行の皆さま有難うございました。いろんなものが洗濯された気がします。

瀬戸の海はどこまでも優しく、蜜柑の香りを乗せた海風が小さな波を作ります。打ち寄せた一粒一粒の泡は生命を育み時間を奏で、そーっと引いてゆきます。その瞬間、穴から蟹が走り出て、でっかいお月様を眩しそうに見上げました。きっと今時分はこんなです。これまでずっとソロで走っていましたが、仲間と走るのも楽しいなと思いました。またどこかでご一緒しましょ。

おしまい

2015年9月29日火曜日

しまなみ海道を往く

先週末、かねてからの希望「しまなみ海道」を走ってきました。話題が多く長いブログっす。

しまなみ海道を走るには、車載で行くにせよ、自宅から数時間、海道を今治まで70余キロなので荷物や車やらどうしたら上手くゆくのかとか悩んで棚上げ状態でした。そんな時に見つけたツアー。奈良からバスで行け自転車はトラック積載で並走。実は昨年見つけたのですがスケジュールが合わす、今年こそと早々に申し込んでいました。落車のダメージが肩以外回復し、突如現れた台風も影響無さげでラッキー。

ツアーはワールドサイクルと大阪のショップ BECKONが主宰。参加者は10名。朝6時に奈良を出発、大阪市内2ヶ所に立ち寄り山陽道を尾道へ。自転車はバスのお腹の中。因みにバスは観光バス会社の基地から出発で車はクルー用?駐車場に停め置きさせて頂けるのでめっちゃ楽ちん。

しまなみ海道については私も下調べをし、3大目標を設定しました。すなわち ”因島のはっさく大福” ”生口島のドルチェのジェラード” ”伯方島の塩ソフトクリーム” のダブルアイス。

ツアーの主旨としては、連れて来たから、後は自由に走って決められた時間に今治のホテルに着いてね、なのですが何しろ初めてだらけなので、ショップのスタッフ(メカニックさんも居て安心)、同行してくれているサイクリングチーム:コラッジョ川西の豊田選手(何かで全国で20位の選手です。凄い!)にくっついて行きます。

◆向島
まず渡船で向島まで。名前通り、向かいにある島です。人車の運賃110円で船内でおっちゃんに払います。ほとんど川向こうって感じで5分で着きます。サイクリングコースには路上に青い線が引いてあり、それに沿って走れば間違わないと言うものの、交差点では消える訳で、また2方向に分かれる事もあり、慣れるまでは不安。向島内は余り変わった事なく、薄雲の下、のんびり十数台が走ります。すぐに因島への橋に入るアプローチライン。緩やかですが結構登るのでバカにしてはいけません。

◆因島
因島へ渡る因島大橋は2階建て。籠の中を走るようで楽しい(怖い人も居ます)。勿論景色もよくて、ここで既に満足。橋を渡ると右下に第1目標”はっさく大福”の赤い屋根が見えます。通常はぐるっと坂を降りて上がって行くそうですが、階段を自転車担いで降りたらショートカットとの事だったので、躊躇わず担ぎました。残念ながら「はっさく」は季節外れでなかったので「ぶどう甘夏」。美味!そして美景色!
はっさく大福の前です 因島大橋が伸びてくる!

因島大橋 中はこんなです。不思議と居心地がいい。

続いて因島内を走行。海岸沿いは割と平坦路ですが内陸部に向かうと少々坂があります。特にローソンを右折してから運動公園辺りはだらだら登ります。その後ブルーラインは海に向かって下り込み、左折。次の生口橋を潜って少しで橋への登り口があるのですが、今回はそのまま直進、大山神社に向かいました。どういう訳か自転車神社と言われる所で、冷たいおしぼりサービスとお茶まで頂き、流れでお守り購入。ハンドルバーに巻き付ける自転車用です。新作も続々入荷中とか?

自転車神社 いろんな所にチャリが隠れています
◆生口島
その後皆さんは「お好み焼き」に行かれたのですが、私はバス下車直前にチョコバーとか齧ってて半端な状態だったので先に第2目標に行かせて頂きました。生口島へ渡る生口橋は、複合斜張橋なるけったいな橋で、巨大なクリップが道路を抱え込んでいる感じ。ぐるっと回って車道に出て左折。海岸沿いの気持ち良い道です。沿道の学校では体育祭の練習をやっていました。そしてドルチェ瀬戸田本店到着。スタッフのSさんが先行してスタンバイ。レンタカーで都度先行し、写真撮影などのお世話をして頂きました。店内は老若男女で大賑わい。勝手解らず入ってきた人も多く、サーティワン風のオーダーに付いてゆけない年配者もチラホラでした。で、私は何頼んだんだろ、確かデコポン。柑橘系・美味しかった事しか覚えていない年配者の仲間入りですのだ。Sさんに手を振って次の目標「塩ソフト」へスタート。

生口橋 面白い形ですが技術の粋です
青空広がる海岸道路。交通量も少なく風も適度。これ以上何を望むかと言うサイクリングコース。今治まで50キロを切ったと路面のガイドが教えてくれます。外人さんのツーリングが多いのにもびっくり。クロスバイクを駆る夫婦?を何組も見かけました。緑の島々が点在する瀬戸内の穏やかな風景は、世界にもありそうでないのでしょうか。結構のんびり走っているので、この人達、今晩どこに泊まるの?と心配になったりもします。

きれいですねー ここを走れる幸せ

ブルーライン上にこんな標識が随所にあります
ダウンタウンを抜けると道は南向き。多々羅大橋が見えてきます。橋の北側トイレの横にアプローチ入口があります。これまた緩々と結構長く登るので、ママチャリの人は大変です。他にタンデムバイク、子供乗せ自転車、いろんな人がヒーハー言いながら登っていました。多々羅大橋はジャコメッティの彫刻の人が足で道路を挟んでいる風情。

◆大三島
渡って着いたのは大三島、ここからが今治市。もう少し時間があれば「いちごどら焼き」に突撃したかったのですが15時半になっていたので直進。路面標示に導かれるまま「サイクリストの聖地」なるオブジェを拝んだだけでした。そうそう、その手前にヘリコプターが鎮座していました。展示でしょうか、少なくとも先日見た京都府警の「へいあん」みたいに「いつでも行ったるえ!」オーラは感じなかったかな。

多々羅大橋とサイクリストの碑  前衛?
そのままR317を走ります。左手には海、右手には町の日常が広がります。秋祭りのワンシーンも見かけました。主役級稚児なのか小さい女の子が煌びやかな衣装で舞を披露していました。先の家々からは「祭」の法被を着たオッサンが駆けつけています。安野光雅さんの絵本の情景が、流れ絵巻のように過ぎて行きました。そして歩道には大きなリュックに簾?葦簀?を載っけたYOUらしき髭モジャ外人も出現。安野さんが仕掛けたトリックだったのかも知れません。21世のウォーリー。

大三島から塩ソフトの待つ伯方島へは可愛いアーチ橋・大三島橋を渡ります。このアプローチはひねってあります。きれいなR317を機嫌よく走ってると、突如道がなくなり、細っこい道が右脇に。看板なければ行っていいのかなと躊躇する道です。でも大丈夫、すぐに2車線に戻って、右手にアプローチ入口があります。ここもクネクネと、しかも下りもあったりして幻惑。一旦橋の下を潜って右に折れ、更に左カーブしたらヘアピン状に合流ルートが分かれますので注意。そのまま行くと山の斜面を下って遭難します。

大三島橋 まあるいのが良いのですよ
◆伯方島
伯方島まではすぐですが、自転車道はR317へ右から合流。このR317は少し登りが多いです。タラタラといつまでも続く感じ。荷物満載のランドナーがしんどそうでした。有料自動車道入口を過ぎたらすぐ右手に「マリンオアシスはかた」。名前ほど洒落た感じではなかったかな。でも小さな砂浜があり、迫りくる夕暮を待つには良い場所です。で、塩ソフト。食券買って頼むのですが、「塩一つ頂戴」「あい、甘塩!」とバイトの兄ちゃんが渡してくれました。甘塩? 一口なめると「あまっ」。微かに塩気がないでもない普通のソフトクリームでしたのだ。まあいい、浜辺に腰かけ他の皆さんを待つ事にして駐輪場を眺めると「Oh!GARNEAU発見」。自分以外で初めて外で見かけるガノの自転車。車種は違いましたが乗ってる人は他にも居るんやなーと感激。持ち主はなかなか現れず、ツアーの人達も現れず、20分後腰を上げ出発。何しろまさか皆さんが因島で目当てのお好み焼き屋の閉店時間に間に合わず「お好み焼き難民」になってるとは露知らなかったものですから。

塩ソフトを食べながら、穏やかな浜辺で夕凪を待つのです
◆大島
次なる大島へは「伯方・大島大橋」を渡ります。アプローチは橋の手前でヘアピン状に左折。橋そのものは普通の形で距離も短くすぐ大島に着きます。車道に出たら右折。左手に海を見る道路です。暫く走って橋を渡ったら右折。R317を山の方へ向かいます。自動車道をアンダーパスする辺りから本当の坂っぽくなって来ます。聊かげんなりし始めた頃、吉海町に入り、今後は爽快な下り坂。所がその次再び登り、今度下ったらダウンタウンに入ってきます。実はここから北の方にあるベーカリーも狙っていましたが、時刻は既に17時前。今更パン屋行ってどうすんねんと自然却下。直進すると登って下って海へと降下、突き当りを右折。最後にしてビッグワン、来島海峡大橋に向かいます。

◆来島海峡大橋
4kmの橋です。これを渡ると四国、それに丁度夕暮れ時。ちゃっちゃと渡るのは勿体なく、時速15km程度の各駅停車。空には薄い雲がかかり、淡いオレンジに島影が濃淡に重なって墨絵のようです。海は夕凪、と言いたい所ですが、島と島の間は瀬になって、所々渦を巻いています。内海は操船が簡単なんて見くびると急に引き込まれたりしそうです。次第に変わってゆく空や海の色と表情、大きな空っぽに気持ち良く吸い込まれそうになっていました。多々羅の名所・鳴き龍は気づかず通過してしまいましたが、橋の先ではクレーン龍たちが頭をもたげて船を造っているのでした。

堂々の来島海峡大橋 

瀬戸は日暮れで夕波小波 ♪
◆今治上陸
自転車道はぐるぐる回って一般道に出て、そのうち「今治市街」の看板がありR317に当たります。一時は1車線だったR317もここでは4車線の立派な道。テールライトとヘッドスモールライト点滅で走り、途中で今治城方面へ左分岐、商店街を進みます。20分程で目的地のホテルに到着。スタッフさんによって運ばれていた荷物を受け取って「たんちょう」とともにチェックイン。17:50でした。ここまでの走行は82.3km,実走行時間4hr6min,平均時速は20km/hジャスト。恐らくロードバイク初心者でもこれ位で走れると思いますが、本当は午前中スタートで、もう少し寄道していろいろ観ながら走るのが似合う道と思いました。それに海道とは言え、車で走った方はご存知の通り、トンネルだらけですよね。島は山が沈降して出来たりするんで凸凹あります、すなわち坂道はありますのでそう思って臨んだ方がショック少ないです。

「しまなみ」とはよく言ったものだと幾度も思いました。海で隔てられ個々に育った島の生活や習慣が、繋がり重なる事で拡がったり、そのまま受け継がれたりと、波のように揺れて包まれてゆくのです。反面、瀬戸の花嫁も「あっ」と言う間に嫁げます。幼い弟も泣いたりしません。チャリで遊びに来ちゃいますから。

帰路は別ルート、続編を準備中。スタッフ並びに同行の皆さま、有難うございました。 m(__)m


2015年9月22日火曜日

ウッティーに会いに

宇治川へウッティーに会いに行ってきました。ウッティーWho? そら、判らんわな。ウッティーはウミウです、鵜飼鳥の。鵜飼と言えば長良川なのですが宇治川でも鵜飼があり、2人の美人鵜匠が有名です。ここで昨年人工孵化したウミウが鵜飼デビューしたとローカルニュースで流れていました。

宇治川中洲の島に鵜飼用のウが入ってるケージがあった事を思い出し、そこに居たらラッキーと行ってみました。宇治に行くには木津川CR-R307-宇治川ラインの定番コース。あじろぎの道から自転車押して中洲(塔ノ島と言うそうです)に渡り、隣の中州(橘島)に渡る手前でケージ発見。

中はウがたくさん。ウッティーはどれかなと思っていたら、丁度、美人鵜匠がいらっしゃったので教えてもらいました。1歳ちょっとでまだ若干灰色。足に黄色の輪っかをしています。すっきりした横顔が初々しく、高校生新体操選手のようです。但し、正面向いた顔は、なかなかの迫力、魚も竦む筈でした。ケージの中のウ達はバタバタ騒いだり鳴いたりでしたが、橘島への橋の下では2羽のウが練習?中。棟梁っぽい鵜匠と女性鵜匠が岸辺から縄を操っています。練習内容は「初心者用」なのか「昇段用」なのか、はたまた「リハビリ用」なのかさっぱり判りませんが、まあこうやって慣れてくんでしょうね。

因みに、鵜飼には川でもウミウが使われます。湖川の水辺でギャアギャア騒ぎ、木々を糞だらけにして枯らすのはカワウ。見た目の違いは少なく、素人では区別つけるのは難しいかも。カワウは集団行動をとりウミウは孤高を好むので、鵜飼ではウミウの方が使いやすいんだって。鵜匠は孤高のプロフェッショナルを束ねる監督なんですね。
ウはペリカンの仲間なので魚をするっと飲み込むのが上手なのですが、カワウは雑魚を獲り、ウミウは高級魚を獲るとの話も。ここら辺でもウミウのプロ根性が垣間見れます。練習の成果が素人にはよく解らないので橋を渡って橘島から本土へ。

今日の宇治川は水も透き通り、俄かの暑さを宥めるように楚々と流れていました。まだ緑色の紅葉から鶺鴒が対岸へと飛翔。秋待つ季節の1枚のtableauのようでした。

宇治橋袂は大賑わい。店には行列ができているので自転車連れが抹茶ソフトを求めるのは容易でないと判断し、川沿いの府道241を走り始めます。路側帯が20cm位しかないおっかない道でそのまま行けば観月橋。京滋BPを潜って暫く後の交差点で、左R24の看板。何を勘違いしたか、R24から右折でR1と思い左折。実際にR24の交差点で、いやいやここらはそんな単純じゃない事に気付き、今日は電波が入るスマホで地図確認。そのまま南西方向に行くとR1に出そうだったので、今日もまた初めての道をグイグイ進行。

広々とした巨椋池干拓地の中を走っていると、突如左手にヘリコプター発見! 何?え?警察ヘリ? よく見ると京都府警航空隊の金看板がありました。ヘリはブルーのポリスカラー、機種等詳細は判りませんでしたが”へいあん”と名前が読めました。以前ヘリを見に行った京都ヘリポートは空家状態でしたが、こんな所に稼働中のヘリポートがあるんですね。出会い頭って恐ろしい。中には入れなさそうなのでそのまま走行、時々スマホ見て進路修正し、R1-BPに無事合流、流れ橋PAへ。

木津川CRは向風の中、26km/h目安で流します。チェーンの伸びがなくなったからかトリム修正も殆ど要らない変速。低めのラチェット音にも慣れてきました。本日走行74.7km。

さて、今日見た子が”ウッティー”と思っていたら、実はここで生まれたウミウは全て「ウッティー」と名乗るそうです。個体名ではなく宇治川鵜飼ウミウの愛称だって。今年も2羽生まれていて早3羽。いちいち名前公募してってのが大変との判断でしょうか、それとも宇治ウミウのミニオンズ化?

残念、ウッティーはトイストーリーでした。(映画観ないと解らん話ですみません)

本日の宇治川

横顔がすっきり美人?のウッティー(1号)
訓練中のウミウ 飛べるし魚も獲れます

待機中の京都府警ヘリ 飛べますが魚は獲れません

2015年9月20日日曜日

イモ峠越え

1ヶ月ぶりにツーリング解禁(自分で決めただけ)。そろそろヒガンバナとのコントラストが美しいであろう明日香・稲渕地区の棚田見学。

1ヶ月経って忘れてしまいそうなんだけど、ホイール,タイヤ、そしてチェーン交換後の初ツーリング。何があるか判らないので平坦で、無理のない距離の明日香を選びました。ところが思わぬ展開に。

往路は平穏、県道1で奈良市街地に出て、ならまちを通り抜け県道とR169で桜井から山田寺跡の近くを抜けて明日香村到着。自転車道で石舞台近くまで走り稲渕地区へ近づくと人がたくさん。路上にはカラーコーンが置かれ、ロープで車道を区分けされパトカーまで止まってる。なんだか物々しい中、皆さん棚田の中の小道を巡っています。ちょっと自転車では入れない雰囲気だったので、そのまま真っ直ぐ進むと川沿いの集落を抜け、道は山の中へ。

少し行くと奥明日香の柏森地区。道は更に山へ入ってゆきます。どうしたもんだかと思っているとロードバイクがスーッと降りてきました。あら?どこかに通じているんだ。R169に出るかな? その直前にバスがやって来たのでそう思い込んでしまいました。戻るのも何だし行ってみようとスタート。が、山また山、どんどん鬱蒼となり道も細く苔生してきます。私の心も細くなる一方ですが、そのうちパーッと開けると期待しジワジワ登ります。

いい加減山の中に入った所で木の看板発見。停車し読んでみると、この道は明日香と吉野を結ぶ古道であり、現在地は小峠、この先の芋峠から下りとの事。古道と今走っている道は≠でしょうが、もうちょっとで峠や と更にひーこら・ジワジワ・斜め走り?も加えて登ります。曲がりくねった道に何度も期待を裏切られながらようやく峠。1台の自転車が既に休憩中でした。が、特に看板もなく、この先はどこへ行くのか?頭の中に勝手に高取の地名がinputされていて、多分高取町のR169やろうと、そもそも峠から引き返すのはどうよ と先を下り始めました。

上りにも下りにも弱い私です。ブレーキかけてないとカーブ曲がり切れん、掌は攣りそうになるし、なかなか平地が見えて来ない。かなり不安。スマホは電波が入らないため、GPSの現在地の点が出るだけで肝心の地図がロードされず役立たず。途中1台のロードバイクが上がってきましたが、一所懸命上がってくる人に「この道どこ行きますか?」なんてマヌケな事聞けず、そのまま下り切ると川沿い公園みたいな所に出ました。コンパスの方角は南、更に下ると集落があり「吉野町消防団」の文字が…。ヨシノ?え?ヨシノに出ちゃったの?焦り最大。芋峠に戻る気にはなりませんが、吉野から橿原方面って、また山越え? あちゃー。

集落の細い道を更に南下すると前方が開け大きな川が左右に流れています。吉野川。下流は紀ノ川となる1級河川です。川沿いの道路はR169。この国道を目指していたには違いないけど、お角違い。右折し西進。確かどこかで北上する筈と手探りで走行。ダンプや大型車が多く結構おっかない道路でした。そこそこ走ってようやくT字路。右折「橿原」が光って見えます。が、ここからまた上り坂。距離は数キロ程度なのですが、既に消耗しているのでインナーギアで緩々進むと芦原トンネル。歩道が砂浜状態で滑って危険。トンネル出ると目指す高取町が広がっていました。そのまま飛鳥駅発見。やれやれ。

ここからは知っている道なので、のんびり走って大和中央自転車道へ。途中、足が左右とも攣って大変でしたが、予定より1時間半オーバーで帰宅できました。本日走行101km。70km程度のリハビリ予定が思わぬ疲労、帯状疱疹復活しなければいいのですが。
峠道を看板見る以外ノンストップで上れたのは、新ホイールのおかげでしょうね。重量とか比較していませんが、速度はほんの少し上がった感じがします。試運転コースとしては充分でした。

棚田の曼珠沙華はどこへやらで教訓たくさん。行き先付近の地図はちゃんと見てゆくこと。スマホあるからなんて奈良県では通用しません。それとミネラル不足になりそうなら早く補給すること。私は途中で買ったドリンクを「麦茶」にしちゃったんですねえ。スポーツドリンク甘いから嫌ったのですが、状況考えて補給せねばなりません。風はそこそこ冷たく、坂道で筋肉疲労=ミネラル足らん+1ヶ月ぶり走行=足攣る可能性 なんて考えりゃ判る話ですけど。

吉野の里に攣れる行き足。

本来の目的地 稲渕地区の棚田

芋峠の説明です(小峠)

芋峠付近

峠道にあった苔に覆われた神秘的な大岩

吉野川 真ん中で鮎釣り中?

2015年9月16日水曜日

北海道レヴォーグの旅

やっと夏休みを取って北海道へ2泊3日。トマムに宿泊し、美瑛・富良野の定番コース。しかし今回はレンタカーがレヴォーグ!ややお高くつきましたが、こんな機会じゃないと長距離乗れませんからね。

天気は「残念」としか言いようがありません。関東東北に大被害をもたらした豆台風18号のなれの果ての低気圧が前線を伴って接近。晴れたのは帰る日だけ。そんなに普段の行い悪いかな。

今回はJALのB738で伊丹から千歳へ。関西発北海道行きはLCCに食われて苦しいのかも知れませんが、幹線なんだから、もう一回り大きい機材が良かったなー。で、千歳で待ってくれていたのは函館ナンバーのブルーのレヴォーグ1.6GT。勿論アイサイト付き。基本的な操作はスバル車なので解るのですが、前車追従やらの「売り」の機能を試行錯誤しながら道東道を占冠まで。道の駅のレストラン”ふらいぱん”でお昼にして、R237で金山峠を越えて富良野へ。初日の目的地「青い池」は上富良野から道道353をピルケの森へ走り、そこから2km程です。青い池の遊歩道は泥んこでしたが、丁度雨が上がり青空も垣間見える天気に回復。池はアルミニウムを含んだ水がコロイドを形成して青く見えるそうです。日によって見え方が変わるんだって。この日はLightSeaGreenに近い色。和名だと新橋色? その名前のせいか、酔っぱらったオッサンが「こんな綺麗な色、見たことない」と叫んでました。飲むのはガード下でやってくれ。

美瑛から富良野、R237からR38、道道1117でトマム入りし翌日は大雪山へ。天気は雨。美瑛から道道を東進、山道を登って旭岳ロープウェイ駅までレヴォーグを飛ばします。気温も低く観光客も疎ら。ロープウェイの乗客は10人程度でした。終点は標高1600m。辺りは雨でそこら辺しか見えません。1時間程度の周回ルートがあり、雨と風の中、レインコートまで羽織ってやっこら歩きました。本来なら地上より少し早い紅葉が斑に山腹を彩り、散在する池を鏡に逆さ風景を満喫する筈が、ガスによって目の前の緩い水面しか見えません。地獄谷から噴き出る水蒸気もガスに紛れて少し大人し気でした。がっかりを抱えながら水が流れ滑りやすい散策路を下ってゆくと、傍らに咲いたエゾオヤマリンドウがコバルトブルーの花をすっくと立てて「また来て」と囁いてくれました。なかなかそうも行かんのだけれども。

3日目は4時起き。トマム名物の雲海テラスへゴンドラで登ります。たくさんの人で山頂は大賑わい。スキーシーズンはここから滑っていた場所なんですが、雪がないと風景が一変。どこだか判りません。
この朝はラッキーな事に眼下に見事な雲海。雲も草木も人の顔もオレンジに染めて陽が昇ります。この瞬間、一体何千枚の写真が撮られたことでしょう。やがて太陽は雲海に大きな影の波を作り、そしてゆっくりと綿菓子のように溶かしてゆくのでした。この山頂にはあちこちにデッキが設けられ、善男善女がホテルサービスの絵葉書を投函できます。雲海の広がりが更に全国に拡がってゆくのですね。帰路のゴンドラで一緒になった盛岡の感じのよいカップルはこの後、フリークライミングに挑むと言っていました。北海道にはいろんな楽しみ方があります。

本来は帯広に行きたかったのですが、時間がなくなりそのまま千歳市へ直行。道東道のトマムICからレヴォーグは快走。車は疎らで気持ち良いドライブ。が、占冠ICで急に前車が減速、追従機能でレヴォーグも急減速。なんじゃ?と思うと、お巡りさんが大きな赤い旗振って『ここで出よ。重大事故発生。通行止め』えー!半年前の九州道での光景が北海道で見事に再現。止む無く道道経由でR274へ出て結局国道で夕張山地越え。ま、ワインディングでもレヴォーグはよく走りました。1.6とは思えない加速感。前車追従は使う機会が少なかったものの(だって前後に誰も走ってないもん)楽ちん機能でした。但し矢鱈いろんな警告音が鳴るのは賑やかと言うか、少しは静かにしなさいって言うか。

鵡川ICから再度高速に乗り、千歳市内で時間を過ごした後、レヴォーグ返却。「5年経ったらこのまま売って」と言いそうになりました。千歳空港の荷物保安検査の長蛇の列にウンザリしながら再度B738搭乗。大半寝てましたが、福井から起きだしてみると京都・長岡京・いつも走ってる3川合流地点上を飛行し、枚方から奈良市の自宅上空を通過、生駒山南端を掠めて伊丹空港32L着陸。1年前位からでしょうか、自宅の上空をやたら飛行機が低空で旋回するようになって、航路変更でもあったのかな、どこから来る飛行機かなと気にしていたのですが、北海道便だったのね。疑問氷解。

レヴォーグ走行は688km。BPレガシィからは違和感なく乗れます。少し重厚に、そしてハイテクに振られた感じ。素性は同じでした。今回残念だったのはエゾリスに会えなかったこと。実はレヴォーグには「鹿笛」がフロントに装備されていて、風圧で特殊な周波数の音波を出すのですと。動物には不思議な音に聞こえるらしく、「あれ?何の音?」と立ち止まって首をかしげることで衝突を減らすそうです。原因はこれか? でも道道1117の落合付近で、前をネコが横切ったぞ。

鹿笛もネコ跨ぎ。にゃんともない。

レヴォーグ1.6GT

青い池   神秘・静寂

エゾオヤマリンドウ(大雪山にて)

トマムの雲海とご来光



雲海から頭を出すホテルタワー
夕焼け真っ赤の大阪市内

黄色の○の中が鹿笛です







2015年9月3日木曜日

落車生活3 免疫低下につけこむ奴

落車より2週間余、各所の状況、まさに戦線の様相です。

擦過傷はメインの4ヶ所にキズパワーパッドを投入、2日に1回の交換ルーティン定着。ジャージ下で直接地面に触れなかった落下点の肩が一番治りが速く、ピンクの下地がきれいになっています。肘と膝はもう2,3回ってとこでしょうか。しかし治ってきているのは明瞭です。

肩の腱損傷は見えないので実体は判りません。が、当初水平以上に上がらなかった左腕も45度位に上がるようになり復旧の兆し。但し左腕で重いものはまだ持てません。とは言えついついやってしまってイテテ…になる事しばしで、3歩進んで1歩下がるみたいな感じ。肩にはハナワの頭のような小さい角が乗ってる違和感あり。胸の内出血は一番酷かった部分が帯状に黄色く残る程度に解消。これを追うと傷害の場所に行き着きます。ロキソニン湿布で警戒中。

そして第3の敵が今週浮上。名前は帯状疱疹。実はこの敵、見えてたんです。落車後の擦過傷手当の際、左足の膝頭の裏から太もも前面にかけて、そして、太ももの外側面にも星団のように赤い湿疹が一面に現れ、こんな時になんじゃこら、足にニキビか水虫集団か?と思っていたのですが、擦過傷の手当に大わらわで無視していました。するとプチプチが水疱になり、今週になってからピチピチ・ツンツン・チクチク、時にはズイッと痛みが走り、下着類と擦れて痛いのかなと思うも、もっと奥からピリピリします。断続的に来るので結構辛く、特に寝ている時には目が覚めるほどの痛み。これは水虫の類ではない、弱っている左足を狙った新手に違いない、どうせ寝られんなら調べようと夜中の3時にネットでリサーチ。

するとぴったり来るのを発見。それが帯状疱疹でした。発疹の出方も天の川のように流れ、一緒。左足だけってのもぴったり。発症から約10日で痛みのピークに近く、放っておいても治らないどころか後遺症の恐れまであると驚愕のレポート。「なるべく早めに病院へ」と口を揃えて書いてます。幸い翌日に予定はなかったので、午後・半日休暇を頂いて皮膚科へ。初診で1時間待たされましたが愉快そうなドクターが迎えてくれました。問診票を見るや否や、

「多分帯状疱疹ですな、ちょっと見せて」と天の川の中でも1等星級の「ブツ」をピンセットで引きちぎり(痛っ!)顕微鏡で覗いています。「間違いありません、もうちょっと早く来なあかんやん」と余裕の診断。いやー、ロードバイクから落っこちてそれどころじゃなくて…と言い訳すると、あーこれやなあ と膝のキズパワーパッド群をチラ見。「でも大丈夫、いい薬できてるので、1週間したらよくなりますわ」「痛み止めと塗り薬も出しときます、1週間したら来てください」と結構安心のアドバイス。因みに運動、どうです?と聞いてみると、「弱ってる時に出てくる病気やから、おとなしゅうしてて下さいや、バイクあきまへんで」とドクターストップ。

ネットでは治癒に半年かかったとか怖ろしい話がたくさんだったので、一安心。処方された薬はなんと5種類!まずは主砲である抗ウィルス薬”ファムビル錠”、そして神経障害対応や造血を受け持つ”メチコバール”が真っ赤な包装で寄り添います。これらは毎食後必ず服用。ついで伝統の痛み止め”ロキソニン”のジェネリック薬である””ロキソプロフェンナトリウム錠”と胃の粘膜保護の”レパミピド錠”は痛い時に服用。そして抗ヘルペスウィルスの塗り薬”アラセナ軟膏a” 〆て7,500円也! びっくり。薬局の薬剤師嬢が恐る恐る「ジェネリック使ってもいいですか?」と聞いて来たのも頷ける。健康保険の本人でこれですから、薬って高いのねえ。

ここで解説。帯状疱疹は「水疱瘡」のウィルスが長年体内(神経)に潜んでいて、免疫力が低下した所を狙って神経を攻撃する病気なのです。特徴は体の左右どちらかにしか発疹がでないこと。これは体内の神経系統が左右で異なるからです。人に移ったりはしないそうですが、誰でも発症する可能性があります。水疱瘡の免疫が切れる?50歳位からの発症が多いそうで、一度なると再発は滅多にないようです。神経の病気なのでブツブツを治す塗薬は無力。内科医でも対処可能だが、皮膚科が一番だそうです。

免疫力低下はストレスでも起こるそうで、私も7月~8月下旬まで仕事大変で、大ストレス中でした。きっとこの頃から奴は頭をもたげていて、落車による擦過傷及び肩の腱復旧に全力を挙げている体内防衛軍の隙を狙って一気に上陸したに違いありません。身体は正直です。

その夜から薬を飲み始め、すると急に発疹がきれいになって来ました。赤い星はたくさんありますが、その間の赤いガス雲が薄れてきて、赤い星も爛れた星になって来ました。痛みはまだありますが、さすがファムビル錠殿、と思ったら、この薬は飲み始めて2日後から効くそうで、もしやピークを過ぎたのかも知れん。まだ予断は許されませんが、復旧の予感がします。今週末の新ホイール試運転は諦め、気長にやる事にしました。

しかし何だか悔しい。免疫軍団がこんなに頑張って傷を治しているのに背後を突かれるなんて。まだまだ防衛軍は戦力不足と言うことです。差し当たって武器補給としてカスタード砲を装備するエクレア小隊を買って来ました。でも注意。

自爆の恐れがあります。

助っ人紹介:ファムビル・メチコパール・ロキソニン・レパミピド・アラセナ・パワーパッド

生駒山のように体内も風雲急を告げておりました