2018年1月28日日曜日

祈願すること

寒いです。2週間ぶりに昼前から奈良方面にポタリング。向かったのは奈良市街地の中心にある率川神社(いさがわじんじゃ)。西暦593年に出来たというめっちゃ古い神社で祀られているのは神武天皇の皇后さま:媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたら いすずひめ)。もはや神話の世界の姫様です。左右に両親も祀られていて子守明神と呼ばれるそうですが、市民感覚としては率川神社は「女の子のための神様」。なので孫娘の平癒をお願いしに参りました。
率川神社 本殿(真中が姫様だそうです)
参拝後、絵馬と御守を求めに社務所へ。さぞかしきれいな巫女さんが出てくるのかーと思いっきゃ、親切なオジサマが鎮座されてまして、親切だったので何ら不満はありませんよ、と絵馬を納めましたさ。奈良公園を抜けて(若草山はよく焼き上がってました)県道を南下し大和郡山へ。ここでも病気平癒に効力?のあるという薬園八幡神社で再度祈願。
ここからは空模様とレーダーを睨みながら更に南下。遠くに見える葛城山系には白い雲だか雪だかが覆っています。県道108はいつも帰路に通るので今回逆方向で、もう一つ勘が働きません。曲がるべきところを行き過ぎたようで一時迷子状態になりましたが、そのうち知っている道に出て救われました。
丸焼けの若草山とカピパラっぽい鹿さん、取り込み中の鹿たち
その後空が一層怪しくなってきたので、コースはショートカット。帰宅直後から雪が舞い始めました。と言う訳で本日走行46.2km。
率川神社の御守はとてもきれいです
孫娘は未だNICU脱出の目途はないものの、試験的に口のチューブを抜いて、生まれて以来、初めて”ふにゃあ ふにゃあ”の声をあげました。お蔭様で現時点では順調だそうです。ようやくウンチもして欠伸もして褒められてる。レディとしては一生で今だけの話だよ。治療の事は病院に任さざるを得ないので、神頼みを担当した一日でした。

そう言や、二週間ほど前、新年挨拶回りで電車に乗り込む時に「出会うと幸せなレアつり革」がどうのって話を同行者がしてたのですね。私はドアにもたれて、ふーん、電車あんまり乗らんからなあとか言いながら、ふと目に留まったのがすぐそこにブラブラしてたこれ ↓
恋愛成就 ♡
思わず、「あれちゃうん?」 「うわ!」
「恋愛成就・縁結び」のこれって16万本のつり革の中で3本だけだそうです。この他にも「合格祈願」「金運招福」があるとか。まだ増やせそうですね。健康祈願:歳取ると思うものです。家内安全:恐らく殆ど人がお願いすることですね。世界平和:ま、いい事ですね(^^;。 そして

交通安全: ・・・ 大丈夫か?この電車。

2018年1月22日月曜日

いのちをつなぐ

当たり前のように呼吸をし、食べて毎日生きている。それが当り前じゃないことを、その有難みを知った一週間でした。先週の日曜日の午後に次女が出産、初めての孫娘で私も万歳。生まれてすぐからパッチリ目を開けてもう可愛い事。それが夜8時頃、次女から電話が入って医大病院に緊急搬送された、念のための検査だけど入院手続きが必要なので行ってもらえないかと。慌てて車を出し1時間半後、医大病院到着。孫娘はNICU(新生児集中治療室)で検査中。婿殿が医師から話を聞いた所、先天性心疾患で医大では対処不可、更に転院・手術の手配をすると。

青天の霹靂です。昼間は目を開けて舌を出したり手足じたばたしたりしてたのに。医大の指示通り、箕面市の国立循環器病研究センターへ走り、孫娘も医大のドクターとともに救急搬送。

午前2時、同センターのドクターから説明があり、医大の見立てと同じで「総肺静脈還流異常」なる疑いが濃い。肺静脈と心臓が断絶している疾患で、このままでは致死必定。肺からの静脈を心臓の左心房に繋ぐ手術をこのあとすぐに行うとの事。我々も血が引く思いでした。だって12時間前にこの世に生まれてきたばかりの小さな女の子ですよ。いきなり心臓を切開する手術って、そんな話ありますか。しかしドクターは言いました

「手術によっていろんな影響が起こる可能性はあります。しかし、まずは命を繋ぎます」

涙が出ました。生まれたばかりなのに、いきなり生命の危機に瀕している。夜中の2時に飛んできてくれたドクターがすぐにやらねば、すぐにやると言い切っているのです。よろしくお願いします しか出ませんでした。

長い長い夜が明けて朝8時、ドクターから説明。初めて見る症例で、断絶していると考えてた肺静脈と左心房は繋がっていたけど左心房内に未知の壁があって血液はこれを越えられず、迂回経路で出て行っているので圧力が不足し酸素を含んだ血液が全身に回っていない。状況的には「総肺静脈還流異常」と同じと。心臓には稀に片側が三つ分かれる3心房心なるケースがあるそうで、これに近いものの、この壁を切除してよいのか悩んだ末、差し支えないと決断し壁を切除、迂回経路を縛って通常の血液循環ルートを確保したとの事でした。

出来たばかりの小さな心臓や血管です。臓器組織も未確立なので困難な手術だったそうです。手術中、肺や心臓を一旦止めるのでその影響も考えられるし、術後に血管が細くなる狭窄事例もあるので、第一関門は突破したものの今後も難関が続きます。

孫娘はまだICUのベッドの端っこにチューブまみれです。心臓は強心剤の助けを借りてですが順調に鼓動を奏でており、胸も縫合、麻酔もカット、当初20以上あった薬とチューブは12まで減ってきました。自力で呼吸し、咳をし、声をあげられるか、来週末にはもう少し目途が見えるようです。
因みに、この国立循環器病研究センターは国内屈指の、関西ではNo1病院で、執刀ドクターも豊富な経験を持つ、如何にもミスター外科医というゴッドハンドでした。

キセキの連鎖です。産科医の判断、医大病院の即決、遅滞ない搬送、そして循環器病研究センターでの迅速で高度な手術。これ以上は望めなかったと思っています。キセキの連鎖で繋いで頂いた生命、まだまだ先は長い。普通に生きることがこんなに脆い素地の上にある事を思い知った次第です。

まさにリアル版”コウノドリ”。
いつか彼女と一緒に自転車に乗れることを夢に見るばかりです。

雪が降ってきました

2018年1月7日日曜日

エンタの神様

2018年初ライドは冬の嵐山・車折神社(くるまざきじんじゃ)。嵐山と言っても、渡月橋付近ではなく、嵐電(江ノ電みたいな可愛い電車です)で嵐山から三つ目の停留所前と、やや離れています。小倉山界隈とワンセットで行こうとするとちょっとしんどいので目的地として単独設定でHere we go。昨年の今頃は嵐山も積雪で大変だったんだけど、今日は風も控え目、まずまずの走行日和でした。

若干冬枯れっぽい嵐山・渡月橋
とは言え、朝は寒かった。木津川CRは特に木津~八幡間、トイレが希少。寒いと近くなり、頼みの山城大橋脇のホームセンターは時間が早過ぎて開店前。流れ橋まで必死で漕ぎましたわな。それだけで速度が3kmもアップするんだから、まさにトイレターボ。しかし過信すると危ないっす。不意な段差では破綻することもあります。うわ。

松尾橋を渡って嵯峨美大の裏手に回るとそこはもう車折神社一の鳥居。朝から結構賑わっていました。自転車ラックがないので大変駐輪しにくいです。自転車置場って言われたところは持たせかけるものがなく、止む無く玉垣の基礎コンクリートにペダルを持たせかけましたが、参拝中ずっと不安でした。駐車場のトイレの壁等に無理言って停めた方がいいと思います。

車折神社の有名ポイントは二つ。一つ目は願いが叶うという祈念神石なるパワーストーン、二つ目は車折神社の中に境内社として設置された芸能神社。パワーストーンの方は今日は見ていないのでよく判りませんけど、石入り御守を買って本殿で祈念すると良いそうです。私も本殿参拝しましたが長蛇の列だったのはこれがあったからなのね。知らんかった。
車折神社 本殿参拝の行列
芸能神社も参拝しました。更に勢いで芸術関係の御守まで買ってしもたけど、平凡なサラリーマンに過ぎない私に一体どんな御利益があるんだろーか。ま、ピアノが上達すれば嬉しいけど。
ここには芸能人が多く訪れるとの事で、朱の玉垣にはずらーっと芸能人の名前があります。結構好きに書けるようで、名前だけじゃなく、例えば武井壮には百獣の王とか、EXILEはちゃんとEXILEの下にATSUSHIって名前が書いてありました。肩に小さく地名も書いてあって、例えば観月ありさなら東京、これはOKだけど横山由依ちゃんまで東京だった。おい、地元の木津川市って書いて欲しかったよー。因みに、博多華丸・大吉は「全国」、武井壮に至っては「地球」だったわ。

全てご本人が来られたかどうかは定かじゃないけど、観光客も楽し気に好きな芸能人の探しっこしてました。芸能神社に祀られているのは天宇受売命(あまのうずめのみこと)です。ほら、天岩戸に隠れた天照大神を引っ張り出したという、マジに神ってるダンサーですね。まさにエンタの神様です。

じゃん!芸能神社 造りが少々大道具?
続いて近隣の鹿王院を覗き(紅葉の頃が素晴らしいそうです)、適当に流していたら嵐山のメインストリートに辿り着いたので、渡月橋を渡って中ノ島へ。夕方から出掛ける用事があったので、そのままCRをリターン。帰りは往路よりターボ分スピードダウン。25km/h前後で走ってたけど抜かれること抜かれること。季節柄、ランナーも多く走行には気を遣いました。本日走行108.8km。

鹿王院 山門 ここからの参道が素敵なようです
芸能神社の参拝も列が出来てました。若い人が多いし一人当たりの参拝時間も長い。オーディションの合格やコンクールの入賞、狭くて厳しい芸術分野でそれぞれの想いや憧れ、夢を実現しようと努力して、後は運という紙一重の世界で最後の神頼み。エンタの神様も辛いわな。勝手に順位を入れ替えたりはできませんよね。結局微笑んだり癒してくれるのは、一人一人の影に居て、努力を励まし見守る

『アンタの神様』

であろうと思います。

私も精進します故、本年もメイプルリーフ・ペダリングをよろしくお願い致します。