2015年11月28日土曜日

嵐山は大混雑

今月2回目の嵐山ツーリング。前回は紅葉が淋しかったので、そろそろいいだろうとカミさんと出掛けました。カミさんは電車、私は自転車で現地集合。

いやいや凄い人ですわ。観月橋は歩道が拡張されて車道1車線の交互通行。観月橋から北のお店が並んでる道路は車両進入禁止の歩行者天国。自転車は通してもらえましたが危なくて漕げず押し歩きでした。集合地点はJR嵯峨嵐山駅北口。

合流してまず向かったのは常寂光寺。名前も苔も大変綺麗とあって入ってみたかったのです。人の多い中を押し歩いていると、市営住宅前で中国人団体らしきをガイドしている中国人のお嬢さんから「祇王寺 どこ行きますか?」と怪しい質問。ホントに毎回道聞かれます。で、祇王寺の方向をさし、スマホで地図見せて一応の説明。しかし細い道ばかりでランドマークがはっきりせず明快な説明になりません。なので「アリガトゴザイマース」と返しながら、地元民と思しき人に片っ端から「祇王寺どこですかー?」と聞きまくっていました。あれだけ聞いてりゃきっと無事に行けたでしょう。

常寂光寺は山門から拝観券を求める大行列。紅葉も随分色づいて「美しい」の一言。しかしながら苔は紅葉の落葉に覆われて所々に顔を出すだけでした。そう言う事なんだー。でも一歩一歩が皆きれいで良かった。
常寂光寺の紅葉

常寂光寺の紅葉 その2
次いで先程のチャイナレディが叫んでいた祇王寺へ。悲恋の尼寺だそうで、只今は紅葉の絨毯。大勢のカメラマンがカシャカシャ。やっぱ期待を裏切らない京・嵐山の名刹でした。近所で「蕎麦」食べてから、トロッコ嵐山駅の脇を抜けて「竹林」へ。一言「もの凄い人の数」。竹は上に伸びてるので大変きれいなんですが、視線を落とすとまさしく「人しか見えね」状態。それも国籍豊か。さすがに最近、中国語は耳慣れて来ましたが(理解は出来んけど)アンタどっから来たん?的な言葉や顔つきが竹林道に満載でした。ま、みんな上見て「うわーすごーっ、きれー」ってのは一緒だと思うけど。
静かなる竹林 と見せて実は大混雑でした

ラッシュの電車の中のような竹林から、まるでGWのテーマパークみたいな嵐山のメインストリートに出て、観月橋が見えた所でカミさんとは解散。CRを戻ります。向風きつっ。特に御幸橋までの桂川沿いは真正面からなので25km/h前後が精一杯でした。途中でチェーン外れるしねえ。木津川沿いは時に追風、時に向風。山田川に着いたのは陽が落ちた後でした。その後はヘッドライト付けて薄暮の中を走って帰宅は17:30。本日走行114km。

小倉山近辺では飲食店も駐輪が難しいです。お寺には駐車場とかあるので何とかなるんだけど、思いがけず苦労した点でした。道も狭い事だし、ハイシーズンには少し離れて駐輪し、歩いて回るのが正解な気がしました。
凝縮の美

桂川沿いに桜っぽいのが満開  誰?何故?
苔の上の紅葉の落葉ってまるで和紙模様。割と派手な色使いながら全体として落ち着いた1枚になってます。そのまま染物のデザインにもなりそう。やはり自然のままが心にはすーっと染み透るようです。小倉山に籠った先人は、この自然の在り様からたくさんの文化を生み出しましたね。それはそのままDNAに織り込まれ、今も日本人の心に潜んでいるのだと思います。だからこそ、桜や苔や紅葉や雪に共感を覚えるのでしょう。これだけで四季を語れます。和の心は凝縮の美であり、更に昇華させた抽象の美なんでしょうね。能舞台に一脈通ずるものがあります。

NOHと言えるニッポン。

2015年11月23日月曜日

スペース・ラヴ 第2話

昨年も11月終わりに走った当尾。今年も行ってきました。加茂から山坂道で岩船寺、浄瑠璃寺を訪れ、R369に出て奈良市街経由で帰ってくる50.4kmのプチ山々コースです。今年の紅葉は少々遅い気がしますが、浄瑠璃寺の浄土式庭園は結構きれいでした。先に岩船寺に着いたんで、浄瑠璃寺まで(爽快に)下り、再度岩船寺まで(ヒーコラ)戻り登るという試練の道。これら当尾の里については昨年書いたので写真のみ。で、前々回<続きません>とか言ってた Short Storyの第2話。実は5話まであるのですね。

浄瑠璃寺 庭園。 瑠璃と言うより錦色
[前回のあらすじ]

大学で資源開発を学ぶ僕は、その留学先であるL1198惑星の宇宙ステーションで不思議な女の子に出会う。彼女は自らを植物と名乗るが虹色の髪を持つ美人。テレパシーとしか言いようのない手段で話しかけてきた。当初困惑していた僕だが、彼女の行き先が僕の帰省先であるL1123惑星であることを知り次第に魅入られてゆく。が、ふわっと消えてしまった彼女は、僕の乗る宇宙船を追い抜いて一条の光となり先に行ってしまう。僕の心は騒ぎ出した。
詳しくは http://yukikazepedaling.blogspot.jp/2015/11/blog-post_15.html

[第2話]
七色の光の筋が惑星に吸い込まれてゆく。地上で気づいた人はカラフルな流れ星と思っただろうか。

彼女は水車の横にいた。初めて見る水車と飛沫、こんなダイナミックな水があったなんて。
見上げるほどの大きな水車を見ているうちに、意識もなく彼女はすーっと浮き上がり、掻かれる水に同期し始めた。回る水車に回る七色の髪、虹の粉が周囲にまき散らされる。次第にトランス状態に昇華する彼女の心。意識は水とともに回る。知らずして泣いていた。涙は止まらない。それはまるで、大きな虹の渦が水車に寄り添っている様だった。

光速船から降りた僕は、取り敢えずエアタクシーを拾った。A15区画の水車、L1198惑星から真っ直ぐ飛ぶと、一番近いのがここなのだ。僕は留学先の大学で資源開発を専攻していて、この星の資源テクノロジィには詳しい。A15区画の水車だってレポートの参考値を取りに訪れた事があった。「急いで!」

エアタクシーが水車に到着する前から、その虹色の渦は目に入った。「なんだ?」 飛び降りた僕に降りかかる七色の粉。一瞬で僕は悟った。

「どうしたんだ? 降りといで!」絶叫する僕になお降りかかる七色の粉。「駄目だ!」僕はダッシュした。緊急停止レバー。機械的に水車を止める最終手段。必死だった。後先関係なかった。全身で飛びついた。オーーフッ!

水車が緩やかに停止すると、彼女はふわりと落ちてきた。駈け寄って抱き止める。なんて軽い。七色の粉も最後の粉雪のように静かに落ちてくる。

「起きろよ!」「頼むから起きろよ!」何度叫んだことだろう。彼女はうっすらと目を開いた。

「よかったー。大丈夫か?目が回った?」座込んだ僕の腕の中で、彼女は軽く頭を振った。粉たちがちらっと舞い落ちる。

∽ ごめん、どうなったか判らない。まだ回ってる。

「いいよ、少しこのまま休んで。水に飲まれたんだよ」

止まった水車の横で、僕と彼女は交信さえ脇に置いて静かに時を数えた。

∽ あの、本当にごめんね。見てるうちに回ってしまって…。

彼女が細い声で語りかけたその直後、僕の背後から怒鳴り声が聞こえた。
『誰だ!水車止めた奴は! 許可あっての事か!』
そうだ、大変だ。エナジー監督署がモニターしてるんだった。僕は彼女をそーっと下して怒鳴り声に相対した。
「すみません、友達が巻き込まれそうになって」そう言って僕は学生証を提示した。
『エリート学生だからってやっていい事と悪い事がある。その歳で解らんのか!』たっぷり15分はお説教されただろう。それだけの事はやったのだ。大学に通報されるのだろうか。
ようやく解放されて戻ると、彼女は起き上がり、少し浮いていた。僕のヘコみを彼女は全て感じ取っていたようだ。

∽ ごめん、私のために。あなた大丈夫かな? 本当にごめんね。

「もういいんだ。それより少し水車から離れよう。すぐに回り出すから」

再び彼女を抱きかかえ、少し離れた丘の上で介抱することにした。差し当たっては水分補給だ。

「ね、どこからでもいいから少し飲んでみなよ。この星の水は軟水だから、きっと大丈夫だよ」

∽ 駄目なの。私がこの星の水を吸収するのは私の使命なの。万全でやらないと実験にならない。

「え?実験? 何の事?」

彼女は途切れ途切れに事情を語り始めた。彼女の名前はワラ。水の星、僕たちの呼び方ではL878惑星からやって来た調査員だった・・・。

                                    <続く(そのうち)>

はい、どうなるのでしょうね。惚れた男は周囲が見えないものです。数々の不審点はあると思いますが、全編を気ままに数時間で書き流したのでご容赦下さい。

そもそもワラって名前、安直にwater? いやいや実は「ワけわかラん」の略なのですよ。意味深長。 深くないけど、隣は何考えてるか判らん秋は深し。

浄瑠璃寺 三重塔 まこと、しっとり

浄瑠璃寺本堂。小振りですが、凛としたものを感じます

2015年11月22日日曜日

琵琶南湖 本年漕ぎ納め

8月の自転車落車で左肩の腱を痛め、当初は左腕は水平以上に上がらなかったのが、最近はウェイトでも上げ下ろししない限り違和感もなくなってきたのでパドリングも解禁。但し季節を鑑み本年ラストカヤックです。

場所は先月自転車で見つけたワニ。比較的近いと油断していたら宇治川ラインが通行止めで、宇治田原から大石に出る府道で迂回し(車でっせ)セタ渋滞にも巻き込まれワニ着は11時。ベタな駐車場に車を止めて出てみると風強し。白波も出ていて旗や幟は真横で風速5~6m/sって感じ。勿論波もひっきりなしにザバーッと打ち寄せています。漕げない事はないけど、何年か前に西宮カヌー協会の人に止められた状況と似ているので出航断念。

確か天気予報では、北の方が曇りがちと言ってたな、南北に細長い大津市なので南の方へ車を走らせます。で、過去にも出航した湖岸緑地(明智光秀像がある)に来て見れば、かなりマシ。もう正午なので慌てて組み立てに入ります。で、出航12時40分。15時には戻りたいのでバタバタと漕ぎ出します。進路は南南西。特に当てがある訳でないですが湖岸を観察しながら漕いで行きます。湖面には浮草がなくなって随分すっきり。立ち上がる水草も殆ど見かけません。

ヨットスクールがあるのか練習用ヨットがたくさん。マリーナも多く街を漕いでるって感じ。また湖岸に面して瀟洒な住宅がたくさん並んでいます。庭がそのまま湖に直結。カヤックライフもさぞかし楽でしょうねえ。ヨットや釣り船が湖岸から次々出てきて進路を横切るので、迂回したり停まったり。波を横に受ける事も多く、これに引き波が加わるとグラグラしながら進みます。水鳥が群がって浮かんでいますが近づいてゆくと一斉に離水。その瞬間を写真に撮れないものかと随分苦労しましたが、こちらも上下左右に揺れるので、なかなかファインダーのセンターに捉えられません。写真って難しい。
唐崎神社付近にあるカッコいい建物 ボートハウス?
そのうち掛け声らしきが聞こえてくると自衛隊の駐屯地。かつてここに飛行場があったと、何かで読みました。陸上自衛隊なので桟橋もなく(勿論フネもないでしょうね)なんか勿体ないと思ってしまいます。時節柄、余りジロジロ観察してるとまずいかと思い前を向くと、建物の合間に「大津琵琶湖館」の屋根が見えました。8月に孫を連れて行った所です。と言うことで目的地に設定。
大津琵琶湖館到着 着岸します
柳が崎を回り込んで、観光船桟橋横の小さな浜辺に着岸。1時間のパドリングでした。結構びしょびしょだったので琵琶湖館には入らず緑地でぼーっとしていると定期船ランシング号到着。2回も乗った事ある馴染みの船です。思わず「はつゆき」と2ショット。そしてランシング号出航の後「はつゆき」も出航。
彼方に大津プリンスホテルが見えます

後がランシング号
いつもそうですが、往路は岸に沿ってまったり漕ぐのに、復路は沖合を一直線。斜め前から波が来るので漕ぎやすく凹部をパスする形で進みます。するとずーっと右前方に巡視船に似たカラーリングの「うみのこ号」発見。ヨットや釣り船の間をゆったり進んでいます。大きい船はきれいですね。写真を撮る時以外は殆ど止まらなかったので40分程で緑地の小さな浜辺に戻ってきました。
水上標識 近寄らないと見えないっす

優雅に進む うみのこ号
今日は水温も暖かく、湖上で寒いとは思いませんでしたが、岸辺に上がると寒いこと。落葉舞い散る中でカヤックを分解してると濡れた船体布も乾きません。斜めになったお陽様も迫力がなく、辺りはしっとり・ひんやり。私もひんやり・ぶるぶる。

浦の緑地で秋風邪ぞ引く。 へっくしょ。 (>д<)、;;;

2015年11月15日日曜日

スペース・ラヴ

雨雨・・・。陽が射したと思ったら突然の驟雨。結局、午後からの出走で、TOJ京都ステージ予想コースをかすめる35.9kmを走っただけでした。なので本日メインはShort Story.

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その娘とはL1198惑星の宇宙ステーションで出会った。
お隣のL1123惑星行きのローカル線ホーム。 髪の色は 七色。
僕は留学先からの帰りだった。お気に入りの音楽を聴いていたらふいに声が割り込んできたのだ。

∽ いつまで待つの?
 「な、なんだよいきなり入ってきて。音楽聴いてたのに」
∽ 音楽ってなに? 私の星にはないの。耳がないもの。どうやって聴けるようになるの?
 「え?じゃあ僕の声は何故聞こえるの?」
∽ 心で聞くの。みんなそうよ、ウチの星じゃ。音楽ってメロディのこと?
 「まあ、そうとも言う」
∽ じゃ、心で聴ける? だって、あなたの気持ち、伝わるもの。
 「え?」 ドキ、「君って何? 形は僕らと似てるけど。銀河のパスポートはあるのかい?」
∽ さあ、知らない。念じたらここに着いたの。まだ先に行きたいの。水車のところに。

時々髪から七色に光る粉が舞い落ちる。まるで虹のようだ。レディ・・・なのかな。

 「ね、君って女性なの?」
∽ なにそれ。私は私よ。みんな胞子から育って透明の羽根を持つのよ。大きくなったからもう無くなったけど。
 「それってエンジェル?」
∽ なにそれ。ね、まだ待つの?
 「うん、まだ1時間くらい。おなかすいてる?何か飲む?」

僕はなんだかわくわくしてきた。だって可愛いよ。エンジェルでもガブリエルでもいいや。
すると、また彼女?の髪から七色の粉が散った。

∽ うん、飲むの大好き。だって植物だもの。
 「えーっ?植物? 胞子から育ったって言ったっけ?」
∽ あなたの言葉では植物。私たちはそうは言わないけど。

叶わぬ恋かな、この出会い。僕はだんだん混乱してきた。
だって七色の髪を持つ、どう見ても女の子の、それも相当美人の、それで植物とこれからお茶しようとしてんだ。ばあちゃんに何て説明したらいいんだ?

∽ ごちゃごちゃ思ってるのね。面倒そうな生き方。
僕は取り敢えずホームの端にあるスタンドカフェに誘ってみた。
彼女?はふわふわついてくる。時々七色の粉がはらはらと舞い散る。
 
 「何飲む?メニューここだよ」
∽ わからない。あなたと同じでいいよ。
 「じゃ、アイスティーにするよ。ああっと、これ葉っぱから取ったエキスみたいなものだけど大丈夫かな?」

一瞬、僕の頭を「共食い」が横切ったのだ。そんな心配をよそに、彼女が顔にグラスを近づけると、グラスは一瞬で空っぽになった。

 「え?どこから飲んだの?」
∽ どこからって、どこからでも普通に入ってくるわよ?

ポカンとした彼女に僕もポカンとした。コミュニケーションって難しい。
水分摂って元気になったのか、彼女は歌い始めた。七色の粉に ♪ ♪ ♪・・・
頭から足から入ってくるメロディ。さっき聞いていた音楽とは全く違う。なんだこれ。周りの風景さえ霧の中にぼやけて行く。昇天ってこのことかな・・・、天に還る? ハゴロモ天女?

”これこれ、お兄ちゃん、フネが入ってきてるよ” 
スタンドカフェのおば様の声で、僕は急に我に返った。あれ?天女は?
”一人でアイスティー2つ頼む人は初めてよ。早く行かないと遅れるよ”

急かされた僕はL1123惑星行きの光速船に駆け込みシートに倒れ込んだ。フネはすぐに出発、Gを感じさせず真っ暗な宇宙に切り込んでゆく。夢でも見たのかな。
ふー 溜息ついて真っ暗な窓を見やると、少し離れて七色の光が一筋流れて行くところだった。
∽ 先行くね、待ちきれなかったよ。でも、あなたって面白いね。

クスクス笑う声が歌のように頭から足まで通り抜けて行った。さっきの天女か?

くそー、でも追いついてやるよ、水車の所で。何だか逃がしたくない。待ってろMyプリンセスかぐや。 袖口と心に残った七色の粉がにわかに輝き出す。

夢幻の宇宙で恋のレースが始まった。
                               <続きません>
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こんなエスパーを嫁さんにしたら、食費は助かっても後々大変と思うのですが、まあ精々頑張ってくれ。 もっとも、ラムちゃん超えは間違いなし。

MRJ飛びましたね。早速私もFSでFly!

2015年11月7日土曜日

嵐の山の もみぢ まだ見ぬ

毎年春秋の恒例、嵐山ツーリング。

低気圧の接近で曇天。明日は確実に雨なので一か八か出発。まず自宅近くから前方のママチャリに追従。乗っているのはおねーさんでなかなか速い。坂になったら抜こうと思ってたら、おねーさんいきなりダンシング。離されそうになりましたのだ。何者じゃ?

木津川自転車道に入って雨がパラつきますが、八幡市に入ると空も幾分明るくなって雨は消え去り、そのまま北上。途中、鴨川沿いのベンチで一休みしていると、改造ママチャリでお散歩中の爺様から「どこから来なすった」と声を掛けられ「こう言う自転車って高いんやろなあ、よう走りまっしゃろ、ここまでどれ位の距離ですのん、タイヤ何インチになりますのん」とよくある質問攻撃。素朴な感じの爺様だったので「年配の方もよう乗ってはりますから、どうですか」と締めくくりました。自転車でもカヤックでも声掛けてくる人って大抵、爺様です。私の問題か?

嵐山には11:30到着。渡月橋を渡り、JR線を越えてゆきます。人が多い所は押し歩くので走れる道は限られ、少し遠慮がち。紅葉には少し早く、真っ赤な葉っぱをつけた木はちょっと照れているようでした。混みあう嵐山ですが、ふとした瞬間、林の小道に私以外誰も居ないことがあります。観光のざわめきも消え、落つる葉の音に鳥の声が一刺し。かつて歌仙たちが感じた情景はこのようなものだったのか。魂が一瞬、古今の昔へと誘[いざな]われ還るのでした。

 
それにしても外国人の多いこと。日本語と外国語の聞こえる割合は半々位。自転車押してると「地元民」と見られるのか道を聞かれます。都度、スマホのMAP出して "Now…here. So~turn to the right and go straight" みたいな覚束ない説明なのに、百聞は一見に如かずで、大抵 "OK! Thank you!" になります。スマホ様々だ。若い人はアジアの人でも大抵英語大丈夫だけど、日本人っぽいオジサンが片言の日本語で聞いて来て、結局英語しか解らんかったりで、つまりアンタは何人?とインバウンド盛況はなかなか大変。東京五輪、相当覚悟要りますよ。

 
混みあうトロッコ嵐山駅を過ぎて、池を左手に歩いていると嵐山には珍しく勧誘を受けました。何でも『江戸時代の建物をどこかの教授が守ってきて、ガイドブックには載ってないけど貴重な見学が出来て、ケーキセットが3千円で頂けるけどケーキは出す側が決めるので選べませんけど、中に入ってみませんか?』 と。

なんやそれ。本気で入って欲しいと思ってる? 選べないケーキが3千円てのもどうかと思うけど(まさかのホールケーキか?)盛んに江戸時代の建物云々を強調されてました。奈良県民は飛鳥時代の遺跡やら天平の建物やらに慣れているので江戸時代の建物って最近やん と思ってしまうのですね。だって千年後ですもん。

お誘い頂いたおねーさんの眼が余りにマジだったので引いてしまい、丁重にお断りの上で撤退。苔生す常寂光寺を素通りし落柿舎を眺め、ぐるっと回ってJR踏切に着いたらもう1時間経ってました。京はタイムマシンたる所以です。腹減ったと思いながら、行列に加わる気がせず、何とかなるだろとCRに戻ります。帰路は流れ橋まで比較的追風っぽく、楽に到着。ここで自販機のアイスモナカ食べて出発。風が次第に向風になります。ちゃんと食べてないのでしんどい。やっぱ京うどんにしておきべきでした。食べるの面倒がっては自滅しますね。結局15:30に帰宅、本日走行111.5km。


明日の雨が去った後、嵐山の紅葉は本気になって来ます。ピークには今日どころではない観光客ごった返しで、ようやく嵐山にも

「人しか見えね、秋は来にけり」

2015年11月1日日曜日

なかよしの町

懲りもせず再び吉野へ。吉野と言っても今回は下市方向へのアプローチ。9月とは反対側です。

レトロタウン御所市から下市へは距離にして10km程度と近く、芋峠のようなクラシック峠もありません。県道118・116とR309で快適そう。奈良県プロモートのサイクリングコース「ならクル」ではT7巨勢ルートと呼ばれるルートです。巨勢とは6世紀頃からこの地域に存在した豪族「巨勢氏」のこと。平安時代まで官僚を輩出した家系らしく、周囲にはゆかりの古墳群が多数あります。

御所までは金剛葛城自転車道とその延長の葛城川沿いの小道を行き、そこから県118・県116を使ってR309に入ります。R309旧道の葛付近では風格ある古民家が並び、往年の街道筋だった事が判ります。なので「ならクル」でのT7路線の見どころは、お寺とお墓と遺跡。楽しそうではないのでall-pass。R309では1ヶ所ダラダラ坂がありますがこれを越えると下市は目の前。一気に下って下市口駅に出ました。下市口と言っても自治体的には大淀町。駅前には観光地図看板があって「なかよしの案内マップ」。うん?誰が仲良しなん?ここに来れば仲良しになるの?と不思議に思った一瞬後、なんや中吉野って事かい…と少々がっかり。上吉野とか南吉野があるのかどうか知りませんが、二人で来たらたちまち仲良し、仲良しの町 の方がよっぽどいいやん。ま、自治体は大淀町ですけどね。

下市口駅前 仲良しになれるMAPですよ
日曜で殆どがシャッター街の商店街を抜けて橋を渡ります。吉野川はこの所の晴天を受けて水量ちょびっと。川原には寒々しいキャンプが一組、水の中で魚を追っているのか水面をバシャバシャ叩く人数名。人出も水量並でした。川の南側(こっちは下市町)を東に走ってみます。途中川側に由緒ありそうな井戸が鎮座。じゃあじゃあ出てまして「大量に持ってく人が云々」って注意書きはありますが何の井戸なのか皆目解らず、飲めませんでした。(寒かったし) 暫く走ってようやく橋発見。渡って降りるとR169。トイレ警報が鳴っていたので?ローソンに駆け込みトイレ代金にとドーナツ2つ購入。

本日の吉野川

謎の井戸水
 どこで食べようかと走っていたらすぐに橿原方面右折点で、そのままR169を北上。9月に来た時は消耗していたので周囲を見る余裕がなかったのですが、今日は途中で「やき餅」発見。名前を見ると、いつも明日香村でお世話になっている「今西誠進堂」さんではないですか。これは寄らない訳に行かないと入ってみました。一応eat-inは可能ですが明日香みたいな「お茶セット」はありません。女将さん一人で切り盛りしていたので無理ないかな。本日は「やき餅」「草餅」。こちらが二代目で明日香が三代目のお店だそうです。

更に国道を緩々登ると、真っ赤なスバル360発見。前回はよく見逃したものだ。スバル販売店でしたが本日はお休みのようでした。私も本日はパールイズミとスバルのコラボジャージ着ていたので、営業していたら絶対に入ってましたね。で、いつも思うのですが、スバル360のボディはこのままでメカだけを最新にして販売したら売れると思うんですけどねえ、どうでしょ富士重さん。

真っ赤な テントウムシ (ハロウィン残はご愛敬)
 そのまま新芦原トンネルに突入、高取町へ下り、近鉄飛鳥駅前でローソンドーナツ休憩。いやー以降胸焼けすること。あんこ餅2つとチョコファッション2つは55歳には強すぎる…。そして橿原神宮経由大和中央自転車道で帰宅。本日走行91.8km。

斑鳩町内の富雄川沿い、誰もおらんので古い歌を歌いながら走ってたら口の中に虫が飛び込みました。これが苦い事、漢方薬の如し。慌ててスポーツドリンクでうがいしましたが、後味非常に悪し…、うぇ。

但し、お蔭様で甘味胸焼けは退散しました。

良虫?口に苦し。うぇ。