2016年4月28日木曜日

雨あがる しまなみ海道

夜中も盛大に降った雨は朝には上がっていました。と言っても雲の向こうにお陽様らしきが見えるだけ。
幻想的な 朝の小学校
【大三島2日目】
朝靄の中を車列は出発。いきなりチンタラ坂を登ってゆくと眼下には雲海。海霧が発生し、漁村や海面を覆っています。幻想的な中、霧中走行。海抜40~80m程度の起伏をUPDOWN。車列は長ーく伸びます。これを下って大山祇(おおやまづみ)神社へ。海上交通の神様だそうで、船の写真もたくさん掲示。30台を収容可能な自転車ラックもあって、さすがは伊予の国一宮です。

ズラリ駐輪 大山祇神社
参拝後、海岸沿いに戻り外周ルートを多々羅大橋に向かいます。先程顔を出していたお陽様は、また雲に隠れ薄曇状態。平均速度25km/h前後で幾重にも重なる島影を見ながら走行。一部内陸部にかかる所に数十mの峠越えがありますが、他は概ね平坦。一同機嫌よく多々羅しまなみ公園到着。ここで本日一つ目のジェラート”柑橘ソフト”。ちょっと寒かったけど爽やかで宜しい。水槽では高級魚(らしい)マハタの他、タイやヒラメが舞い踊っていました。記念写真撮影後、生口島に向け出発、まずはアプローチ登坂に備えて前ギアをインナーに落としとこうと切替えた途端、カシャカシャとペダル空回り。あちゃ、チェーン外れた。慌ててコンビニ袋出して、スタッフに支えてもらいながら嵌めました。「あー、これ手が汚くなるわー」と周囲からの声の期待通りに指先油ギッシュ。皆さん同じ経験されてるんですね。

多々羅大橋
気を取り直して再出発。確かここのアプローチ道の横にヘリコプターがあった筈・・・が見当たりません。飛んで行ったのかな?熊本ではヘリが不足しているって言ってたからね。そして橋の入口では参加者の一人がパンク。よりによってこんな所で、と思いますが、この方、復旧速かった。精々10分強でチューブ入替されたのではないでしょうか。私なら30分はかかって足引っ張った事でしょう。
多々羅大橋では、前回見逃した”鳴き龍”に自転車カップルがトライしていました。私も横で見物。拍子木の音が逆さ落としで響きます。これが龍の声、お見事!時間あれば何回もやってみたいものでしたが、遅れているので急ぎ橋を渡ります。

【食の生口島】
生口島で昼食予定だったので、瀬戸田方面にスピードアップ。この島の道は平坦で走り易いですが、信号多いのが玉に傷。幸い先頭集団に無事追いつき昼食会場へ。土産物屋さん併設で売り子?賑やかなお店でした。続いて有名なジェラートの店・ドルチェへ。前回はイチオシのデコポンだったので今回は瀬戸田レモン。2つ目の柑橘系ジェラートです。しまなみには蜜柑の木は勿論、レモンの木もあちこちで見られて風景を爽やかにしています。青虫が付かないなら家に植えてもいいなあと思ってしまいました。グルメスポットがあるせいか、この島では大勢のサイクリストと挨拶しました。外人さんも多いです。爆買ツアーじゃなく、カップルや仲間で回っている人たちですね。タンデムの後部席のレディは手を挙げて”ハーイ”。理想的なインバウンド環境に見えました。

生口橋
【今回は八朔GET 因島】
生口橋を渡って因島。ノンストップで”はっさく大福”の店”はっさく屋”を目指します。が、途中信号などで後方集団が完全分離し見えなくなってしまいました。今回は因島の外周を時計回りに回るので、そのうち追いつくかと島の北端:大浜公園前で待機。夏を待つきれいなビーチです。トイレに行って戻ると後方集団も到着していて、そのまま「はっさく屋」への坂を上がります。カロリー取るためには、その前に落とす必要あるよね、という有難い?計らいでしょうか。前回は販売期間終了でGETできなかった”はっさく大福”、今回はありました。が、既に残は十数個という際どい所。横にあった巨大苺が入った”いちご大福”も魅力でしたが、今回ははっさくをお持ち帰りで本日3つ目の柑橘系。帰宅後、カミさんにも大好評でした。その後また少々坂を登って因島大橋へ。次の向島が今回のフィニッシュラインです。

因島 大浜公園
【フィニッシュ向島】
因島大橋は上下分離式で、自転車道はカゴの中。ほっこりして私は好きです。名残を惜しむ1.2km。心持ちゆっくり走ります。出口を左折し最後の海沿いを少し走ると向島マリンユースセンター。駐車場にバスが待っていました。皆さまお疲れ、2日目の走行は私のサイコンで62.96kmでした。予定より2割程度減りましたが、2日間でほぼ100km。初めてスポーツサイクルを漕いだ皆さんには激闘だったかも知れません。コンディションはbestとは言えませんが、初ビンディングでの立ちゴケ擦り傷患者1名以外は無事で良かったです(初ビンディングが遠征ツアーってのも凄い勇気ですよね)。参加者及びサポートスタッフの皆さま、有難うございました。

因島大橋
バスが向島を走り始めると陽が射してきました。ちょっと悔しい気もしましたが、天には逆らえません。そんな事より一同あっと言う間に睡魔に襲われ、私も気づけば吉備SAでした。行きより和やかな車内。幾つもの同じ坂を登った仲間です。年齢層は幅広かったけど自転車乗りはいいものですね。車内にぶら下がった伝統の”テルテル坊主”だけが少し悔し気でした。

瀬戸内の波は穏やかで山もまあるく優しい。飛び飛びの島はテンポよく我々を迎えてくれました。道端の大きな蜜柑も、誰も居ない小さな砂浜も、明日もきっとそのままです。シトロンの風に乗って、時間さえ優しく過ぎて行った2日間でした。

世界のShimanoのように、世界のShimanamiとして知られてきたブルーライン。帰った所なのに、もう「次」を考えている自分がいるのでした。

2016年4月25日月曜日

雨煙る しまなみ海道

しまなみ海道裏コースを走ってきました。昨年9月に続いてCTJのサイクルツアーで現地へは往復バス。自転車は車載でバスの車庫まで持って行き、バスのお腹やキャビンに積み込むという楽ちんツアー。車はバス会社の駐車場に停め置きさせて頂けました。昨年と違うのは、今回は集団行動で豪華昼食付!。なので参加者が30名近くと大盛況。走るさまはまるで自転車中隊でした。コースは大島までバス、以降、海岸沿いを主に走行しながら北上し、向島まで戻る設定です。2回に分けて掲載します。

出発準備に大わらわのご一行
【大島で早くも雨】
初日はバスで一気にしまなみ最南端の大島・吉海まで直行。午後から来島海峡大橋を潜って海岸沿いのブルーラインを北上します。出発10km程で田浦峠越え。クロスバイクをレンタルした初心者の皆さんは「初めての坂道」で一苦労。30台の車列です。長ーく伸びたので峠で一旦集合し、坂を下ります。灰色の空と海、海岸に打ち寄せる波も重たそう。伯方・大島大橋へ向かう途中でとうとう雨が降りだしました。予想より2時間早い雨。皆さん雨中走行に備えて換装し橋に向かいます。橋へのアプローチ道路で、まったり登る我々の車列を、クロスバイクを駆るお嬢さんが颯爽と抜いてゆきました。肩までの髪にスニーカ・モノサック。地元のお嬢さんでしょうか、その姿がめっちゃカッコよくて、まさに絵になっていました。橋上で抜いた時思わずチラ見、見とれてまうやろ。(脇見運転はいけません、ハイ) 瀬戸のスポーツフェアレディ、しまなみのポスターにならんかな。

大島 よしうみバラ公園 安心して下さい、まだ降ってませんよ
【伯方島ショートカット】
本来は伯方島は反時計回りに周回する予定でしたが、元々遅れていたこともあってショートカット。マリンオアシスで休憩後西側を定番コースで掠めて大三島橋へ。雨は結構大粒、路面も次第に濡れてゆきます。寒々しかったので塩ソフトはパスしました。尾道から来る場合、この道はダラダラ登坂で嫌になりますが、逆は軽快。カーブやブレーキでの滑りに注意して走ります。

【大三島で宿泊】
大三島橋を渡って、雨煙る大三島を車列は進みます。方角で言うと南側の海岸沿いを黙々とペダリング。途中小さいUPDOWNがあり、UPは結構スローペース。DOWNでは車間距離に注意しながら、風景を楽しむ事も少なく(何しろみんな灰色だし)走っていると今回唯一のトンネル。サングラスを外して入トン?します。新しいトンネルで中も明るく楽に走れました。トンネル抜けると道はずーっと登って行って、左手には大島から四国が見える絶景。本来は青い海と緑の島々ですが本日は墨絵の世界。幽玄!と呟きながら進むと道は付替工事中のダートに。丁度登坂だったので、一同押し歩き少々ラッキー。ダート終了後、少し登って峠を越えると宿泊場所”憩いの家”が見えてきました。うーん、何だか凄い建物。

大三島の西側 晴れてれば…いい景色
それもその筈、”憩いの家”は元々木造の小学校校舎なのです。木村ヨシノちゃんが出ていた映画の舞台にもなったそうです。教室を客室に仕立てていますが、要は畳の部屋になっただけ。アメニティが何もないので宿泊の際はご注意下さい。トイレは勿論共用。お風呂はありますがそう大きいものではないので、今回の自転車中隊はバスに20分程乗って、タラソセラピーを謳うスパランド”マーレグラッシア”まで行きました。ここもタオルや石鹸は要持参。つまり、ホテルや旅館のイメージで行くと大変な事になるのです(ま、買えますけどね)。但しこの憩いの家、食事は美味しかったっす。魚づくし。板さんは給食のおばさんでない事は確かです。
元 小学校の廊下に並ぶ自転車たち
夜は廊下で大宴会。廊下と言っても半分は外です。LEDなんて未来の話の電球の元、オッサン達が座込んでの飲み会は、娘曰く「どう見ても昭和の田舎の同窓会」だそうでした。ごもっとも。

初日の走行は僅か36.9km。予定より10km以上短くなりました。それ以上する事のない一同は、早起きの反動もあって早々就寝。オッサン達の鼾だけが響く瀬戸の夜更けでありました。

明日はどうなる事やら。

2016年4月22日金曜日

スペース・ラヴ後編 第4話

故あって本日休み取ってTOJ京都コースを2周。午後からは昨日の土砂降りが嘘みたいに晴天となり、日焼け止めも効かず真っ赤になってしもた。


スペース・ラヴ後編第4話。新たな登場人物が出現します。

<長老 来たる>

僕がレポートを書いたり勉強していると、背後からワラはそれを覗き込んで、まるで水を吸収するように知識を吸収する。文字が読めるわけではないのに、僕が覚えた事、考えた事がそのまま入ってゆくみたいだ。便利というか、要領がいいというか微妙な所だが、ワラにとってはメロディも情報も同じようなものらしい。水の星ってひょっとしたら潜在的なパワーを持つエスパー星なのではないだろうか。あどけない、しかし美しいワラを見ながら、まこと、これは歴史上の巡り会わせなのかもと心が震える瞬間があった。

或るのんびりした休日の事、階下でワラの声(正確には交信)が聞こえた。

∞ ケーイ、長老がみえたよー。

え?なんて突然。そんな話聞いたかなと思いながら僕は階段に向かった。この前長老について、どんな人?(人じゃないけど)って聞いた時、ワラは 素敵な方だよって言ってたっけ。もしかしたら長い七色ヒゲ爺さんではなく、初老のイケてるジェントルマンなのかも知れない。僕は気を引き締めた。

長老は玄関のドアの前、ワラの後に立っていた。

「え? おー? び・・・美人!」僕はひっくり返りそうになった。

$ 初めましてケイ。ワラを救って頂いて有難う。

長身の、まるでモデルのような超美人はにっこり微笑んだ。た・・・確かに素敵な人だ。

∞ やっぱりデレデレしてる。ケイっていつもこうなんですよ。  ワラは口を尖らせた。

「いや、だってさ、だって思ってたのはもっと爺さんでさ、こう、ステッキかなんか持っててさ…」僕は慌てた。「でもまあ、あの、に・2階にどうぞ」 気を落ち着けるべく僕は階段を踏みしめた。
ソファに優雅に座った長老は、ささやかに七色の粉を振りまいて

$ ケイは私達が吸収できる水を作ったんだってね。本当に有難いわ。水の星を代表してお礼を言います。

100万ドルのスマイル、これはやっぱり長老の品格なんだ。僕は緊張してレモンティーを淹れた。

$ ケイ、ちょっと驚いているわね。私たちにはあなた方のような性別はないのよ。植物だから雌雄同体と言うのかしら。

そう言われるとその通りだ。わざわざ別構造を持つ必要はない。何故今まで気づかなかったのだろう。
「あの、確かに、そう言われればそうですよね。それで、あなたの事はなんてお呼びすればいいのでしょう?」

$ あなたたちの言葉にすると、クイーンって呼ばれてるわ。

クイーン、女王。なる程相応しい呼び名だ。きっと年長と言うだけでなく、品格や能力も秀でているに違いない。僕なんかが話して良いものだろうか。僕は少々気後れしだした。クイーンは少しワラと話した後、僕に向き直って言った。

$ それで、ワラと暮らすに当たって、ケイには知っておいて欲しい事があるの。きっと今後重要になる事。星の資源に詳しいあなたにだから話せることなのよ。ワラも聞いておいてね。まだ知らない事があると思うから。

どうやら結婚式のスピーチレベルの話ではないようだ。僕は真面目に向かい合った。


・・・・・・・・・・☆彡・・・・・・・・・・☆彡

TOJコースの後半、ダウンヒルの続く山中・田園地帯は、すっかり慣れたウグイスの囀りとカエルの合唱。八重桜は誇らし気に、ハナミズキは清楚に、春の日を浴びて咲いていました。今は蓮華の可憐な花が風に揺れる田圃も、間もなく水が張られて、稲の苗が揺れることになります。四季があるって良いものですね。

2016年4月16日土曜日

フツウの日々

まず熊本地震、1日も早い復旧を祈っております。由布院から南阿蘇・熊本・天草を回ったのは1年半前でした。南阿蘇に宿泊し「の」の字の逆回りコース。通ったところばかり…と溜息出てしまいます。

さて、先週日曜から、前回いつ引いたか覚えていない位久し振りに風邪を引き(やっぱバカだったのか)、結構しんどかったのですが、仕事休めずヨタヨタの1週間でした。まだ本調子でもないので、平坦コースで八尾空港へ。

八尾空港と言えば先月の事故。いつも見ている風景の中で起きたことなのでこちらも心痛みました。出発が少し遅く現地到着は13時。シーンとしています。やはりまだ運航されていないのだろうかと一抹の不安。が、作業服の人たちが飛行機を囲んだりしているので、閉鎖ではなかろうと待ちます。20分位経ってようやく飛行場の北東からヘリの音が聞こえてきました。暫くして自衛隊基地から普通の?ヘリが飛び立ちました。その直後、今度は北の方からヘリの音がしたかと思うと黄色いヘリが着陸。律儀にもちゃんと滑走路に降りて、そのままタクシーウェイをタキシング。ヘリのエリアに消えてゆきました。会社名等はありませんでしたが、番号がJA04CH。え?4chってもしかして毎日放送?おお”らいよんチャンネル”だから黄色いのか?(事実は知らんけど)。

らいよんチャンネル号?

するとビーチバロン58が始動。飛ぶのかなと見ていると、第一航空の格納庫からトーイングカーに引かれたツインオッターDHC6が出てきたではありませんか。ツインオッターは駐機場に止められ、補助電源車っぽい小さいのが横付け、期待が高まります。バロンはその横を抜けてタキシング、誘導路の端で待機。って事は着陸機あり?とか考えているとツインオッターの周囲も慌ただしくなり私もキョロキョロ。

またヘリ着陸
着陸してきたのはまたもヘリでした。白地に赤いラインの中型ヘリ。ツインオッターからはトーイングカーや補助電源が取り払われ、尻尾の赤色灯点滅。エンジン音が高まります。その間にバロン離陸。次に足元にブーツを履いたセスナがタキシング、ツインオッターのエンジンはフルスロットルになったり絞られたり。あー別のセスナがやって来た。わータッチ&ゴーや。間髪入れずにブーツ履いたセスナ・テイクオフ。ありゃまたちっこいヘリが着陸や。もう、訳が判りません。

第一航空の新鋭 DHC6ツインオッター
ツインオッターは相変わらずエンジン吹かしたり絞ったり。後ろを通りがかった老夫婦の奥様が「車とちごて、エンジンの音も気持ちええなあ」と嬉しいお言葉。そうなんです、私もエンジンの音、大好き。ツインオッターも「これから飛ぶぜよ」と言わんばかりの挙動だったのですが、格納庫から整備の人が来たと思ったらエンジン停止。ありゃりゃ。トーイングカーもやって来て再び格納庫にお蔵入りでした。定期的にエンジンかけてんのかな。
タッチ&ゴー中のセスナ
私の期待も同時に萎み、さ、帰ろ。セスナがまた降りてきますがもういいや。不貞腐れている訳ではありませんが、ツインオッター、早く飛ばせてあげたい。

帰路は大和川沿いに富雄川との合流点まで走って、富雄川沿いを北上。止まっていると暑い位でしたが走ると涼しい良い日和でした。本日走行72.1km。

3人娘のユニット「なついろ」の曲:beautifulに”ありふれた毎日が とても愛しく思える”ってフレーズがあります。異常な状況下で過ごすと、普段の生活の美しさが思い起こされます。普段の生活ったって、苦しさや嫌な事がたくさんで、嬉しかったりホッとしたりはその合間合間に咲く雑草の花くらいの小さなものですが、それでも波打ちながら流れて行くフツウの日々の何と愛おしい事か。
願っても時間は戻らないし否定しても現実は変わりません。闇の中で固く重くなって行く気持ちを止める事は難しく、気休めの言葉なんて上の空。時間が薬と言ったところで、易々ほぐれるものではない。
それでも日々は過ぎ、無常にも自然は流転します。かけるべき言葉も見つからない今ですが、きっとずっと未来には、ほんのひとかけらが柔らかくなって、ふと目をやると、咲く花の健気さに心が緩む日が来ると祈るしかないのでしょうか。やるせない事ですが、そんな全てに合掌。

2016年4月13日水曜日

スペース・ラヴ後編 第3話

富士重工が日本カヤック連盟にレガシィ・アウトバック等を寄贈したと言うニュースを聞きました。競技カヌーと私のまったりカヤックでは比ぶべくもありませんが、同じパドルを握るものとして大変嬉しい。普段の移動手段だけなら軽のR2で充分と思いますけど、フォールディングカヤックと言っても、本体にパドルにシューズにメンテ用具にと結構嵩張るものです。これらをポンとカーゴルームに入れられるワゴンはやはり便利。その上、後席でこっそり素っ裸になって着替えたりもできますからね。アウトドアスポーツとスバルは仲良しです。ではスペース・ラヴ後編第3話。

久し振りに見た富士山はすぐに雲にお隠れになりました

 <ケッコンって?>

∞ ねえ、ケイ。今更だけど、ケッコンって何?一緒に居ること?   ある日ワラは唐突に言った。
「はあ?知らないの? だって、ばあちゃんと結婚式の話とか、してたじゃない。」

∞ だって、おばあちゃんはさ、『で、あんた達はケッコンするんだよねえ?』って言って嬉しそうにするからさ、私も解らないけどウンって言っちゃったの。そしたらおばあちゃんはもっと嬉しそうで、私も嬉しくなっちゃったよ。で、何の事?

「はあー、だけどさ、水の星の長老さんにも届けたんでしょ?」

∞ うーん、ケッコンって言葉、知らないからネレイス星にいますって言っただけだけど、おばあちゃんはケッコンって思ったみたい。

おお、そのレベルでここまで来たのか。なんと暢気な大らかな。尤も僕だって、僕たちの結婚が本当に成立するのか実感がなく、また調べもしていなかったからあんまり人の事を言えたもんじゃないけど。
「結婚ってね、一生仲良く一緒にいるって誓い合って、周りからも認められることだよ」

∞ なんだ。じゃあもうケッコンじゃない、ケイと私。

んーまあ、届け出とか手続きを除けばそうとも言える。
「でもね、普通は結婚するときにパーティを開いて、たくさんの人に祝福してもらうんだ。僕たちはそういうのまだだから、結婚とは言い切れないんだよね」

∞ ふーん、それにおばあちゃんも来たいのね。じゃあ、まだケッコンじゃない。オーケイ。

やはり一般のお嬢さん達が想う結婚観とは程遠いようだが、まあいい。
「でもさ、その時には水の星から長老さんや他のフィリーさんが来てくれるんだよね?」

∞ 呼んだら来るよ。みんなケッコン知らないから、面白そうって来るかもね。

一体どんな長老だろう。長い七色のヒゲ爺さんなのだろうか。ステッキとか持ってて、振ったら虹色の粉が撒かれるのだろうか。リリーの長老は金銀の粉を撒いてくれるのだろうか。これは結構パーティに相応しい演出かも知れない。僕は急に長老に会いたくなった。
「ね、その前にお会いできるかな。長老さんに」

∞ うーん、お願いしてみる。

単に結婚パーティへの期待だけでなく、実は僕には解明したい事があったのだ。L1123惑星ネレイス星の水を吸収した途端に、虹色からアクアブルーになったワラの髪と粉。これって資源選別のためのマーカーになるんじゃないか。ワラは免疫って言ったけど、実はとんでもない試薬が出来るかもしれない と僕は考えていた。勿論ワラ達を実験になんて使えっこないけど、少し粉や髪を分けてもらえないかと虫のいい研究者魂が頭をもたげていたのだ。上手くゆけば、資源開発だけでなく、水の星の皆さんの移住にだって役立つかも知れない。
僕たちの結婚ってもしや銀河のエポックメイクな出来事かも知れないと、密かに僕は思い始めていたのだった。

☆彡・・・・・・・・・・☆彡・・・・・・・・・・☆彡

予定では後編は短いながら15話まであるので少々焦っております。

2016年4月10日日曜日

淵となりぬる

今日は半年振りに天ヶ瀬ダムから宇治を回ろうと出発したのに着いたのは南郷でした。

木津川CRからR307に入って、ダンプカーに紛れて山を越え、田原川沿いを走って宇治川ラインに合流したら、何故か宵待橋を渡ってしもた。 ⇒大津 方面ですね。山桜がポッポッとモコモコ山に映え、鶯も遠慮なく囀るし毛虫もまだ出ていない。春はいいなあ。

今日はモータバイクが多数すっ飛んで行きました。自転車はちらほら。臨時信号(交互交通)は2ヶ所のみ。南郷に着いたのは13時近くで、速攻で南郷の100円ベーカリー ぷてぃぶらんへ。狙いのサンドウイッチは売切れでしたが、さんざ迷って自慢のクリームパンとスイートポテト・チキン。やや小振りですが、どれも100円とは思えない美味しさです。おススメ。

水があると落ち着きます

春らしい閑けさ
 Eat-inは出来ないので川向こうの「水のめぐみ館」の前で昼食。対岸の桜並木や船、水面ではしゃぐ鴨たちを見ながら、これでビール飲めたらさぞや幸せな事だろうと思いました。既に14時近かったので周囲を軽くポタリングしただけで引き返します。西南の向風ながら、宇治川ラインは坂もなく景色は良く大変走り易い道です。ま、爆走する車が来るのと、時々法面崩壊で道路が陥落したり、土砂崩れで埋まったりするので気をつけてね。 ;゚Д゚ !

山・山 時々 桜

今日は先週の雨のせいか、山から水が結構出ていて「予期せぬ滝」に遭遇したりしました。所々で谷風に桜吹雪、更に矢鱈と目が痛い。何かが飛んできてサングラスを越えて目に入る。花粉…かな。一度カメムシまでサングラスの内側にへばりついて厄介でした。帰路はR307から府道70号の南山城ポタリングコースへ左折。この道沿い、井手町のパン屋さんにいつも気になる看板「幻のクリームパン」があります。未だ入った事ないので何が幻か謎のままでして、いつか踏み込まねばと思いつつ、余りに暗い店内をチラ見して、今日も通過してしまうのでありました。(既にクリームパン食べたからね)本日走行92.3km。

帰路、田原川の淵を見降ろして、ふと”恋ぞ積もりて淵となりぬる”という句を思い出しました。淵の底には水流がある筈ですが表面は青色で動きません。底も見えません。うーむ、情も積もるとこうなるのか、あな恐ろし。更に想いが届かぬと、情は淵から青蛇となって飛び上がり、そなたの首に絡みつくのじゃ…  あーこわ。

が、その先ではPOLICEが取り締まり中。
こっちも絡まれると免許の帯が青色になるのじゃ… あーこわ。

2016年4月6日水曜日

スペース・ラヴ後編 第2話

後編第2話、ようやく僕とワラの生活が始まりました。

Sakuraミント2016
<不思議生活の始まり>

僕のアパートはワンルーム。広さはそこそこなので区切れば2DK程度にはなる。軽合金で出来たラグビーボール型で下半分に入口とバスとトイレとクローゼット類、上半分がキッチン・リビングと寝室。こんなユニットが木の葉っぱのように枝にたくさんくっついた集合住宅だ。L1198惑星ことアテーナ星は学問と芸術の星だから、住んでいるのは学生と先生、そしてアーティスト。中には両方の人もたくさん居る。いろんな星から来ているから、顔や形も様々、だけど大昔の空想のような宇宙人はいない。色や大きさやパーツの形は違えど大抵は手が2本、足が2本にプラス尻尾やらウィングやらのスタイルだった。空気の圧力は一定で、これに耐えられない場合は、耐圧ラップをコーティングしたりするが、見た目には判らない。言葉は小さなコンバータを付けるだけで頭脳間をダイレクトに中継するし、僕とワラのようにストレートに交信できる場合もある。宇宙は広いけど、案外と似たもの同士が多いのでそれ程の苦労はないのだ。宇宙文化人類学や生物学を学ぶ連中に言わせれば、それは「必然」だそうだ。どの星にも生物のヒエラルキーがあって、同じ階層同士は似てくるんだと。ま、仲良くなれるんだから悪い事じゃない。きっと宇宙のどこかに神様が居て全ての生物を統括してるんじゃないだろうか。

僕がアテーナ星のセントラルステーションに降り立ったら、既にワラは待っていた。

∞ どのお家だかさっぱり判らない。みんなシーズのような形だもん。

ワラの住む水の星には家がないそうで(ま、みんな植物だもんね)ワラも家に住むのは初めて。幸い僕の家の扉は木製だったのでワラは自由に出入りできる。家に着いたワラは珍しそうにフワフワ飛び回っていた。友達、友達じゃないとかぶつぶつ言っているのが聞こえる。生活レベルになると、ワラの事はまだ全く理解できていないのだった。よくぞ結婚を決めたものだ。
食事は水分でいいし、寝るのも僕のベットの上。軽いので僕は全く気にならない。羽衣が掛かっているようなものだ。植物なので時々太陽(火の星)の光を浴びるが、人工照明でも大丈夫だそうだ。
 僕は昼間は大学に出掛けて行く。ワラは時々ついてくるが研究室の中では退屈そうで、飽きたら勝手に出ていく。どこで何をしてるのか判らないけど、僕が帰宅すると程なく戻って来るので何の手間もかからなかった。

一緒に暮らし始めて1週間位経った休日、ワラのケラケラ笑う声が階下から聞こえた。

「何がおかしいの?」

∞ だってケイのこと、いろいろ教えてくれるの。自分で扉を思いっきり閉めて足を挟んで大騒ぎとか、本を読みながら帰ってきて扉にぶつかったとか、ケイって結構そそっかしいのねー。

「なんでそれが判るの?扉へこんでたっけ?」

∞ 扉が教えてくれたのよ。他にも面白い話ばっかり!

何の事だかさっぱり判らなかったが、ワラ曰く、扉に使われている材料は”ワラウン材”と言う名前で、”ワラウン材”になるワラウンの木は人を笑わせるのが大好きなんだそうだ。全く植物同士の関係は未知の領域だ。

∞ 水の星でもワラウンの木は、傍を通り過ぎるフィリーやリリー達を笑わせて自分も楽しんでいるのよ。笑う門には福来るって言うでしょ。だから扉には”ワラウン材”を使うの。でも気をつけてね、反対に笑うのが大嫌いな”ワラワンの木”だってあるからね。間違えるとお家が暗くなっちゃう。ワラワンの木は笑っちゃいけない場所の入口に使うものよ。

へーそうだったのか。家に住んだ事ないくせに、美人エスパーは博識だった。
それでも周囲は初めてのものばかり。ワラは何にでも話かける。木製品や布製品とは会話が弾むようだが、土や石や金属で出来たものとは会話が出来ないらしい。

∞ 何だか冷たいのよ。だまーっててバカにされてるみたい。

金属が冷たいのは不思議じゃないけど、誠に不思議な二人の生活が取り敢えずはスタートした。
一人より二人っていいもんだ、僕はこの星に留学して、初めて癒しという想いを噛み締めていた。

・・・・☆彡・・・・☆彡

まだまだ続きます。なお、後編も下記リンクに順次追加してゆきます。星空文庫は後編終了次第、UPする予定です。



2016年4月2日土曜日

流れ橋 開通

桜があちこちで咲いて春本番。桜の傍には人が居る。人の傍にはBBQ。強風の中、紙のお皿を飛ばしたりしながら楽しんでいました。
可憐だ・・・
まずは先週ロストしたTOJ京都コースに再チャレンジ。此度は合っている筈です。KOMからソロソロ降りて右折!決まったあ!ってそんな喜ぶ事かい。ここからのダウンヒルはカーブだらけ。コースを知っていないと怖くて飛ばせません。短い上りが1か所ある他は下りと平坦。田圃と藪の間を疾走。スピードの残るこの辺りが見物には良さげに見えました(が、平日なんだよね)。T字路に当たって、ここからは先週走ったコース。しんどさも同じ。梅の木峠を越え、クリーンセンター脇を登って京奈和側道を上がって下がって、突き当りからまた緩々登って降りたら学研都市が望める旧道。パナソニック研究所からけいはんなプラザを回り込んで、ATR正門前を右折しスタート地点の交番までで1周です。
KOM付近にも桜
右の道を奥から手前に下りJ字カーブで左へ が正しいのだ
今回は写真も余り撮らず、看板を見に戻ったりもしなかったので1周51min。はい、1周目だけね。後はきっと指数関数的に伸びてゆきます。そして、Danger2件。
 1つ目:交番の前でやれやれとバックパックを背中から下ろしたら、シャクトリムシが同乗しているではありませんか。このまま尺取られていたら首とか頭に到達したに違いない。下りでこんな事になったら命に関わります。TOJ本番時期にはもっと増殖しているに違いないので選手の皆さん、尺取注意。
 2つ目:京奈和道の側道は、誰がこんな道通るねん と思っていたら結構自動車が来ます。ショートカットに使われているようで、細くてUPDOWNしかない道ですから見通しは悪く、試走される方はお気を付け下さい。今日は8台も来てびっくりした。本番時には通行止めだけど。

その後、木津川CRに出て、先週開通した流れ橋を見に行きました。橋脚が強化されたみたいでややメカニカルな雰囲気。これで時代劇に使えるのかしらん? 折角なので渡ってみました。以前よりがっしりした感じで安心感があります。途中で板が抜けるようなトラップもありません(当たり前か。府道やもんね)が、今回の施工で「流れにくい」ようになったそうです。流れん橋?流れてた橋?

流れん橋 橋脚が「支えてまっせ!」って感じ

隙もなく安心感があります
そのまま木津川東岸を戻ります。東風が強くて横風では車体がよろける、向風では心が萎む。道路脇のベンチのある場所には必ず桜があって、人が一杯なもので休憩できず、結局CRを出た後に初休憩。あーえらかった。本日走行74.9km。

流れ橋って1年半も通行止めだったんですね。なので渡り初めで賑わう今日は皆さん真ん中に集まりがち。欄干がないので怖い? 

いやいや、長らく 「このはしわたるべからず」 でしたから。