2023年11月11日土曜日

浮舟にホレてまうやろ

 まだ紅葉には早いと思いつつ宇治へ。何故か左脚のダルさが抜けず、今日は宇治田原の山越え止めようと、流れ橋PAから久御山町を突っ切って宇治川沿いを遡って宇治入りしました。木津川CRは北風向風。下ハン握っても押し返されて20キロしか出ないこともあり結構疲労。

宇治川・喜撰橋

久御山町と言うのはその大半が元巨椋池の埋め立て地。元々が大きな池で、豊臣時代にウォーターフロントとして開発されていましたが、昭和初期に干拓され、今では広大な田畑です。干拓時の水面積は7.94㎢。これは日本の湖沼の中で30位辺りに相当する広さで、そのまま残っておれば、今とは随分と景観が違っていたと思われます。「池」と言っていますが実際は「沼」の呼称が相応しいような。因みに日本の湖沼面積29位は北海道網走市の東の涛沸湖、30位は宮城県の万石浦だそうです。ちょうど、この間に入る感じでした。

背後は京滋BP 昔なら湖を渡るBPでした

で、その干拓地を縦走し、京滋バイパスの麓から宇治川沿いに出て、川べりを走って宇治に到着。紅葉の名所、琴坂(興聖寺)を覗きましたがまだまだでした。次いで「さわらびの道」を辿りいつもは素通りする源氏物語ミュージアムへ。源氏物語と言えば、ややチャラいイケメン公達の女遍歴の物語で、特段興味ある訳ではなかったけれど、来年の大河ドラマがその執筆者・紫式部先生とあっては知っといた方がいいかなーとチャラいノリで入ってみました。

源氏物語ミュージアム内外

駐輪場は通用門(業務用入口)の中に確保されています。館内はストーリィさえ怪しい素人が真面目に見ると相当時間がかかります。何しろ物語は全部で54編(帖)、中にはタイトルだけとか行方不明の編がありますし、そもそもこの宇治が舞台なのは最後の10編で、しかも主人公がイケメン光源氏の息子(但し実子に非ず)の薫の君と、光源氏の孫・匂宮であり、作者も紫式部の娘さんとの学説もあるので「宇治十帖」と言うスピンオフ作品の感があるのです。手っ取り早く全体を押さえたい場合は、大和和紀さんの大ヒット少女コミック「あさきゆめみし」全13巻がお薦めだそうです。原作に忠実なだけでなく、足らない所は少女漫画風にアレンジ追加されているとか。

図書室 あさきゆめみし もありました

映像展示も是非と声を掛けられたので20分人形劇ムービーも観ました。本日のお題は「浮舟」。薫の想い人であった大君の面影を残す異母妹が浮舟です。彼女は薫・匂宮の二人の公達からラブコールを受け、本命は薫に拘わらず、不慮とは言え匂宮と不倫関係を結び、それがバレて悩んだ末に宇治川に身を投じると言う哀しいお話。しかし実は助かっていて尼僧として生き、それを知った薫のアプローチを無視して薫が更に悩むと言う「宇治十帖」謎のエンディングの張本人です。個人的には切なく健気なお嬢さまであったと思いますが(惚れそう…)、斯様に日本初の長編恋愛小説は後世の学者たちを大いに悩ます深いお話なのです。さすがは切れ者女性官僚・紫式部です。チャラく入った割には感化されて出て来たミュージアムでした。

背景は宇治川と朝霧橋

ここで随分時間を費やしてしまったので、慌てて朝霧橋を渡って対岸へ。宇治川ではドラゴンボートレースが行われていて、鵜飼いの鵜たちはのんびりお昼寝のようでした。今日は「響けユーフォ」に触れることもなくそのまま北上し、イベント中の三栖閘門を尻目にR1BP走って、流れ橋PAで休憩。寒風の中でアイス食べてもっと寒くなった。

復路は基本追風の筈でしたが、CRそのものがクネクネなので実感できたのは一割程度でしょうか。概ね24~28km/hで走り1時間で山田川出口に到着出来ました。本日走行90.4km。

龍舟祭 とあります

龍舟(ドラゴンボート) ペーロンとは違いますね

しかし思うに、出生の悩み深い慎重派の薫と聡明な浮舟はもしかしたらベストカップルだったと思うのです。薫が放ったらかしにするからプレイボーイ匂宮が割り込んでくるのですよ。釣った魚にエサはやらん…って、そりゃ噛みつかれますよ。

日本男子のDNAって、千年経ってもちっとも学んどらん。


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