2016年2月13日土曜日

冬あすか

11日(祝)は御所から高取・明日香を周回。

2か月前に走ったコースを少々アレンジ。御所までは葛城CRをR165BPから葛城川沿いに南下、御所から東進し高取に至ります。途中なるべく集落の中をポタリング。ま、迷い込んだってのもあるけど。

高取では前回行かなかった上土佐方面へ。白壁や格子の古い街並みが続きます。細い街道筋に人影はまばら。サンダル・エプロン掛けのマダムが会釈して迎えてくれました。オ・モ・テ・ナ・シ 実践中です。が、寄る予定だった町屋カフェはお休み。仕方なく細い坂道を上ると高取藩筆頭家老植村家の屋敷門がありました。門の中に個室があり、植村家に仕える中間の部屋だったそうです。中間は武士ではないけど武士補助のような役割で、今なら準社員とでも言いますか。因みに中のお屋敷は現在も使用されているそうです。坂道はどんどん山に吸い込まれてゆくので反転し明日香に抜けます。

高取町 屋敷門
キトラ古墳・飛鳥歴史公園を抜けてメインストリートへ入ると、意外と多い観光客。冬の明日香は人影少なく・・・と思っていたのが大外れ。村役場の前を通って左折し今西誠進堂さんで休憩です。今日は「みたらし*2+草餅」のお茶セット。「お久し振り」と店の人に言われました。覚えてもらってるんだー と、ちょっと嬉しい。相変わらずシンプルでウッディな店内は私の好みとも合って、ほっこりできました。それにしてもこのセットで300円は安い。安すぎる。少々値上がってもわたしゃ我慢するよ。先日走行80.1km。
今西誠進堂 300円みたらしset!
自転車を降りて遊歩道から見渡せば、くすんだ緑の丘から続く原っぱに、宮跡が光って見えました。斜めの陽射しが敷石たちをほんのり暖めて、立ち上る空気が古代人の往来を見せてくれます。その間をリュック担いだ現世の人が渡ります。一歩誤れば六世紀に踏み込んでしまう危うい回廊を、眩しそうに手を翳しながら、笑いながら歩いてゆきます。敷石たちはこの千数百年、数え切れない足音の下、朝には温まり、夜には冷えて、足音のない日は雨音を聴き、或いは微かに雪の積もる音を聴いて、ほんの少しずつ溜めてきたのです。ふんわり吹いた北の風がスライスされた記憶をパラパラめくり、言いかけた言葉、叩きつけた心、歌声の切れ端をチラリと見せてまた閉じてしまいました。あっと思ったその瞬間、記憶は彼方に去って、リュック背負った人が居るばかり。冬の明日香にはデジャヴを呼ぶ魔力があります。

石の上にも千数百年、思い過ぐべき恋にあらなくに。

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