2014年1月13日月曜日

日立の復活

ぎっくり腰の痛みはなかなか取れません。日頃から腹筋や背筋運動はジムでやっているつもりだったのにこのザマはなんだ と思う反面、それ故に起き上がれて歩けたので却って長引かせているとも思えます。

先週、日立製作所の川村隆会長のご講演を聞く機会がありました。新年のお付き合いの一環なので、ステッキを突きながらヨロヨロ出かけたのですが、流石に大日立を再生させた経営者だけあって面白いお話でした。確か、次期経団連会長の本命だったのを固辞されたんですよね。理系出身らしく朴訥な話しぶりでしたが、素直なお人柄が表れていて「いいなあ、あんなトップ」と思わせるものがありました。川村会長のお話でよく出てきたキーワードの一つは「最終責任と決断」です。それ以上後ろはいないということですね。これは私も最近になってひしひしと感じるようになりました。勿論、私はそういう立場にはありませんが、身近でそういう立場を見ると、その際の決断の仕方は、本当にトップの「人」が出ます。

川村会長が日立の社長を引き受けられた際に、会長を兼務されたそうです。これは会長・社長という2トップが異なる考えを(それも微妙に異なる)した時に、下が困るからと言うものでした。心の中で拍手しましたね。サラリーマンなら誰しも経験あると思いますが、本当に困ってしまいますよね。それだけでなくご自身で「最終決断」を背負い込む覚悟でもあったと見えました。
それから、報道でも大きく出ていましたが50代の新社長に譲る件について、「日立は常に改革を続けて行かねばならない。だけど一度改革をやった人間は次の改革はできない。何故なら前回の経験に引き摺られるから」とコメントされました。ですよね。人間、成功体験に引き摺られるものですが、これを自らが断ち切るのは難しいものです。凡人は経験を語り偉人は歴史を語ると言いますし。
小難しい経営理論ではなく、こういった素朴な「あるある」を丁寧に語れるのは「基本」を理解して一つ一つ実行されてきたからだなあと思いました。きっと日立さんは見事に蘇るでしょう。

帰り道、最寄駅まで10分のところ、ステッキついてゆっくり歩くと倍近くかかります。夕暮れの京都・岡崎公園、本来なら周囲を散策したかったのですが、3時間の講演を垂直の椅子でじっと聴いていただけで腰が悲鳴をあげていたので、無理せず帰ることにしました。新年早々とはいえ夕刻の電車は帰宅ラッシュです。電車内でもステッキ突いて立っていたら、途中駅で席が一つ空きました。前に立っていた人が座ろうとして私のステッキに気づき、ゼスチュアで譲ってくれました。大学生らしい白人のお嬢さんです。私は座ってしまうと立つのが大変なので、「立ってる方が楽なんで・・・」とお断りしたのですが、日本語が通じたがどうか怪しい感じでした。お嬢さんは怪訝そうに座りましたが、私にはもどかしさが残りました。あー英語でどう言えばいいのかな。

  I'm better with standing.Thank you.             with standingって何?
  No thank you. I'm standing, because good for my body.    長すぎ?
 Thank you. It's easy for me standing.           身体が楽ってのもeasy?
一瞬では出てこない。プアな英語力丸出しです。(添削してください)

この時、またしても川村会長のお話がフラッシュバックしました。日本は日本語で大学教育まで全て揃えられるが、そうじゃない国もたくさんあって、仕方なく教科書は英語版を買ってきて教え、高等教育は仕方なく英語で行ってきたが、今やそれが却って武器になっている という話です。うーむ、グローバル化って難しい。
で、ぼそっと仰いました。「英語は使うしかないですよ。i-phoneみたいなものなんで」
これも可笑しかった。PC等を熟知したアンドロイドユーザーがi-phone使うと混乱すること多いですよね。で、思うんです。これは生まれ育ちが違うToyだ。使って慣れるしかない。英語もね。

寝たきり2日間。ずっと寝てるのもしんどいので、こうやってネットブックで文章書いたり、皆様の自転車ブログ読んで溜息ついたり、2014ガノーバイクのカタログ見て唸ったりしています。
腰が壊れるのは一瞬ですが、元に戻るのは時間がかかる。企業の信用みたいなものです。

以上、新春卓上経済フォーラムでした。

本文とは関係ありません。
八尾空港のコーナンジェット
本文とは関係ありません。
関西空港のStarflyer。 なくなるそうで・・・




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