2015年11月7日土曜日

嵐の山の もみぢ まだ見ぬ

毎年春秋の恒例、嵐山ツーリング。

低気圧の接近で曇天。明日は確実に雨なので一か八か出発。まず自宅近くから前方のママチャリに追従。乗っているのはおねーさんでなかなか速い。坂になったら抜こうと思ってたら、おねーさんいきなりダンシング。離されそうになりましたのだ。何者じゃ?

木津川自転車道に入って雨がパラつきますが、八幡市に入ると空も幾分明るくなって雨は消え去り、そのまま北上。途中、鴨川沿いのベンチで一休みしていると、改造ママチャリでお散歩中の爺様から「どこから来なすった」と声を掛けられ「こう言う自転車って高いんやろなあ、よう走りまっしゃろ、ここまでどれ位の距離ですのん、タイヤ何インチになりますのん」とよくある質問攻撃。素朴な感じの爺様だったので「年配の方もよう乗ってはりますから、どうですか」と締めくくりました。自転車でもカヤックでも声掛けてくる人って大抵、爺様です。私の問題か?

嵐山には11:30到着。渡月橋を渡り、JR線を越えてゆきます。人が多い所は押し歩くので走れる道は限られ、少し遠慮がち。紅葉には少し早く、真っ赤な葉っぱをつけた木はちょっと照れているようでした。混みあう嵐山ですが、ふとした瞬間、林の小道に私以外誰も居ないことがあります。観光のざわめきも消え、落つる葉の音に鳥の声が一刺し。かつて歌仙たちが感じた情景はこのようなものだったのか。魂が一瞬、古今の昔へと誘[いざな]われ還るのでした。

 
それにしても外国人の多いこと。日本語と外国語の聞こえる割合は半々位。自転車押してると「地元民」と見られるのか道を聞かれます。都度、スマホのMAP出して "Now…here. So~turn to the right and go straight" みたいな覚束ない説明なのに、百聞は一見に如かずで、大抵 "OK! Thank you!" になります。スマホ様々だ。若い人はアジアの人でも大抵英語大丈夫だけど、日本人っぽいオジサンが片言の日本語で聞いて来て、結局英語しか解らんかったりで、つまりアンタは何人?とインバウンド盛況はなかなか大変。東京五輪、相当覚悟要りますよ。

 
混みあうトロッコ嵐山駅を過ぎて、池を左手に歩いていると嵐山には珍しく勧誘を受けました。何でも『江戸時代の建物をどこかの教授が守ってきて、ガイドブックには載ってないけど貴重な見学が出来て、ケーキセットが3千円で頂けるけどケーキは出す側が決めるので選べませんけど、中に入ってみませんか?』 と。

なんやそれ。本気で入って欲しいと思ってる? 選べないケーキが3千円てのもどうかと思うけど(まさかのホールケーキか?)盛んに江戸時代の建物云々を強調されてました。奈良県民は飛鳥時代の遺跡やら天平の建物やらに慣れているので江戸時代の建物って最近やん と思ってしまうのですね。だって千年後ですもん。

お誘い頂いたおねーさんの眼が余りにマジだったので引いてしまい、丁重にお断りの上で撤退。苔生す常寂光寺を素通りし落柿舎を眺め、ぐるっと回ってJR踏切に着いたらもう1時間経ってました。京はタイムマシンたる所以です。腹減ったと思いながら、行列に加わる気がせず、何とかなるだろとCRに戻ります。帰路は流れ橋まで比較的追風っぽく、楽に到着。ここで自販機のアイスモナカ食べて出発。風が次第に向風になります。ちゃんと食べてないのでしんどい。やっぱ京うどんにしておきべきでした。食べるの面倒がっては自滅しますね。結局15:30に帰宅、本日走行111.5km。


明日の雨が去った後、嵐山の紅葉は本気になって来ます。ピークには今日どころではない観光客ごった返しで、ようやく嵐山にも

「人しか見えね、秋は来にけり」

0 件のコメント:

コメントを投稿