2024年10月19日土曜日

好日山荘 上高地②

【前回 「好日山荘 上高地①」 の続きです】

 二日目は5時過ぎ起床。早朝ハイクがあるのです。共同洗面で男女問わず洗面歯磨き。女子大生と並んで歯を磨くなんて、なんか恥ずかし。横長のステンレス洗面台は乗務員時代の職場を思い出しました。

赤穂高? 冠雪しています

 一同、6時出発。夜中に穂高に冠雪があったらしく、朱い朝日を浴びるピークが所々白くなって美しい。梓川には川霧が立ち込めて、寒いけど(4℃位?)きれいでした。田代池方向に歩くと、たくさん散歩していますねぇ。日本人、早起きです。思った以上に若い人が多くまさに老若男女。この地を有名にした英国人登山家・ウェストンさんのレリーフがある所で折り返し。最近すぐ脇の橋下の巨大配管チューブの中にクマが入って居付いちゃったそうです。水量も大したことなく山荘の棚ベッドのようにほっこりしたんでしょうね。なので近辺には『クマが目撃されました』があちこちに貼ってありました。レリーフでは記念撮影する人が随時立ち寄り。感じのいい女の子二人連れがセミ登山ルックで自撮りしていたのが好印象でした。カワイイは無敵です。

ウェストンさん

クマに注意!!

白穂高! 赤穂高と同じ場所ですが時間が経つと表情変わりますよね

 山荘に戻って朝食タイム。これまたガッツリ系で贅沢な朝ごはんでした。宿泊者は本館でコーヒーが飲み放題と言うのでカミさんと訪れ、こじんまりしたティールームでほっこり。やっぱ本館はいいな。出発は8時半。荷物を預かってくれるので、私はウェストポーチ(NorthFaceの大型)のみ。朝から河童橋近くの『絶品アップルパイ』には長蛇の列が出来ていました。情報によると、この日のあかんだな駐車場は朝6時に満車になったそうです。梓川右岸の遊歩道を明神池まで歩きます。

陽が昇ると一層美しい穂高

逆さ穂高もまたきれい

 牧野内さんのガイドに時折穴沢さんがツッコミを入れたりして和やかに歩いてゆきますが、周囲にはインバウンドの喧騒も。日本人と外国人の割合は55:45位に見えましたが、中国語は甲高く声が大きいのでうるさいのです。たまに聞こえるフランス語は美しい。思わず ”très bien” と思ってしまいます。偏見だけどね。それと大半の人は「歩く服装」だけど稀に「その格好で来たの?」を発見。UpDownのない上高地なので(最大3‰)歩けないことはないのですが、やっぱ朝の気温4℃でミニスカは寒いでしょ? 穴沢さん曰く今の子たちは「履き慣れた靴で来てね」と言うと、厚底サンダルで来たりするそうで、確かに履き慣れてんだろうけど、下手すりゃ足首、挫くよ。

いろんな種類の石が川原にあるのも梓川の特徴
 

清流奔流

 途中でおサルさんに遭遇。和束とか琵琶湖では見かけるので珍しくないけれど、ここのおサルさんは人慣れしていてちっとも逃げない。木から降りて、ハイカーと一緒に木道を歩いていました。クマもそうですがやっぱ木道は歩き易いのだそうで、どんな動物も一緒ですね。休憩ポイントで石の上に「ウンチ」発見。太さと内容(消化しきれてない種子など)からして小動物、オコジョかな?と穴沢さん。オコジョいるんや!森の妖精。会ってみたいですね。

ウンチ!

梓川の川面(透明過ぎて水が見えない)

おサル出現(中ほどの茶色いやつ)

 明神池(嘉門次小屋)に10時過ぎ到着。前日に続いて10時台の昼ご飯。私は名物らしい「イワナの甘露煮」が乗った蕎麦で蕎麦続きは流石信州。イワナは塩焼きが有名で頭から全部食べられますのだけれど、私は甘露煮と目が合ってしまって食べれませんでした。母娘で参加の京美人女子大生に「えー食べれないんですかぁ?」と笑われました(お母さんもおきれいでした)。で、ここいら辺で長年愛用のスポーツサングラスを紛失。すずらん号(ルイガノクロスバイク)に乗った時からですから十数年愛用でした。嘉門次小屋の人にも探して頂いたのですが見つからず、きっと今頃「落とし物」として集約されているでしょう。

明神橋

 穂高神社で手を合わせ、100円トイレに2回も行ったりして明神橋を渡り、梓川左岸を戻ります。青空の下、穂高五峰がくっきり美しく、梓川の透明な清流に魚が泳ぎ、理想的なトレッキングです。穂高や槍ヶ岳に登る人の経路にもなっているのでたくさんの人。穴沢さんは信州の某高校の山岳部の顧問?を頼まれているそうですが、すっかり「ゆるキャン部」になってるそうです。マッチを擦る所から教えなきゃだそうで、今の高校生、オール電化なんかに住んでると炎を見たことない子もいるんだって。なるほどとも思うけどエライことですね。なので山岳部とは言え、登山より防災関連知識をつける?部活になってるようです。で、たまにイケメンの山男を連れて来て「山に登ったらこんなイケメンいるよ~」とお誘いするそうですが、いやいや穴沢さん、現実はジジィばっかでしょ。

逆さに埋まった木(何故?)

 左岸道の途中で6月末の大雨で土砂崩れした現場も見ました。山から土石流なので白っぽい大小大量の花崗岩が散らばり、木々は薙ぎ倒され、クマザサとシラカバの杜は様相を一変させておりました。まだ崩れ残りがあるそうで、手が付けられないようです。最後に伏流水が帝国ホテルの水を賄っているとの話を聞いて河童橋近くで解散。皆さま有難うございました。二日間で歩いた距離は精々12km程度でした。

土石流の痕

で、上高地のお土産~と思ったものの、店は人で一杯だし荷物を背負ってるしバスも混むだろうしとバスターミナルに着いてみれば、「あかんだな行き」のバスには長蛇の列。200mはありましたね。「さわんど行き」も同様でしたが、こっちはアルピコ交通が超ピストン運転でどんどん捌かれ、「あかんだな行き」も濃飛バスがピストンで、約35分待ちでバス乗車。前を行くのは新宿行き直行バス。一緒だった栃木のご夫婦が乗車されているバスでした。離合も不便な山道を大量のバスが行き交い、ベストシーズンの上高地は大観光地でした。駐車場に着いて荷物を整理し、出発したのは15時半、駐車料金は1,200円。京都なら1日分です。この日はR158をそのまま走り、飛騨高山市内のホテルに向かいました。

バス待ちの行列(ターミナルが見えない)

あかんだなバスターミナルと濃飛バス

 翌日、高山市内(古い町並み)を朝から散策し、上高地のお土産買おうと思いましたが、どっこいここは岐阜県。長野県のお土産がある筈もなく、結局「飛騨高山に行ってきました~」になってしもた(笑)。

 上高地は超大昔に山が崩れて谷を埋め立てた特殊地形だそうで、それ故平坦で、また度々の火山活動で梓川がせき止められ池が残っているそうです。偶然の連鎖ですね。下界からの一般交通を遮断してるので自然が守られ、生き物ものびのび暮らしています。それでも最近は観光客の食べ歩きを狙うカラスが現れたとのことで「蟻の一穴」と言う言葉もありますから皆で注意したいものです(インバウンドは特にね)。「カラスの一食」がサルやクマに伝染したらエライことになりますから。上高地はそう言う気持ちにさせる透明で爽やかな場所でありました。因みに自転車もバスターミナルまでは走って来れます。但しバスの往来には格別の注意が必要と思います。トンネルあるし、まじ危ない。

 最後に梅花藻たなびく清流の音を貼っておきます。時々これで心を洗いたい。




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