青天の霹靂です。昼間は目を開けて舌を出したり手足じたばたしたりしてたのに。医大の指示通り、箕面市の国立循環器病研究センターへ走り、孫娘も医大のドクターとともに救急搬送。
午前2時、同センターのドクターから説明があり、医大の見立てと同じで「総肺静脈還流異常」なる疑いが濃い。肺静脈と心臓が断絶している疾患で、このままでは致死必定。肺からの静脈を心臓の左心房に繋ぐ手術をこのあとすぐに行うとの事。我々も血が引く思いでした。だって12時間前にこの世に生まれてきたばかりの小さな女の子ですよ。いきなり心臓を切開する手術って、そんな話ありますか。しかしドクターは言いました
「手術によっていろんな影響が起こる可能性はあります。しかし、まずは命を繋ぎます」
涙が出ました。生まれたばかりなのに、いきなり生命の危機に瀕している。夜中の2時に飛んできてくれたドクターがすぐにやらねば、すぐにやると言い切っているのです。よろしくお願いします しか出ませんでした。
長い長い夜が明けて朝8時、ドクターから説明。初めて見る症例で、断絶していると考えてた肺静脈と左心房は繋がっていたけど左心房内に未知の壁があって血液はこれを越えられず、迂回経路で出て行っているので圧力が不足し酸素を含んだ血液が全身に回っていない。状況的には「総肺静脈還流異常」と同じと。心臓には稀に片側が三つ分かれる3心房心なるケースがあるそうで、これに近いものの、この壁を切除してよいのか悩んだ末、差し支えないと決断し壁を切除、迂回経路を縛って通常の血液循環ルートを確保したとの事でした。
出来たばかりの小さな心臓や血管です。臓器組織も未確立なので困難な手術だったそうです。手術中、肺や心臓を一旦止めるのでその影響も考えられるし、術後に血管が細くなる狭窄事例もあるので、第一関門は突破したものの今後も難関が続きます。
孫娘はまだICUのベッドの端っこにチューブまみれです。心臓は強心剤の助けを借りてですが順調に鼓動を奏でており、胸も縫合、麻酔もカット、当初20以上あった薬とチューブは12まで減ってきました。自力で呼吸し、咳をし、声をあげられるか、来週末にはもう少し目途が見えるようです。
因みに、この国立循環器病研究センターは国内屈指の、関西ではNo1病院で、執刀ドクターも豊富な経験を持つ、如何にもミスター外科医というゴッドハンドでした。
キセキの連鎖です。産科医の判断、医大病院の即決、遅滞ない搬送、そして循環器病研究センターでの迅速で高度な手術。これ以上は望めなかったと思っています。キセキの連鎖で繋いで頂いた生命、まだまだ先は長い。普通に生きることがこんなに脆い素地の上にある事を思い知った次第です。
まさにリアル版”コウノドリ”。
いつか彼女と一緒に自転車に乗れることを夢に見るばかりです。
雪が降ってきました |
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