2017年4月2日日曜日

スバルのミライ

4/1付で富士重工㈱が「㈱SUBARU」に改名となったそうです。個人的には富士重工って結構好きな名前だったんで淋しいですが、株主でもないので言っても仕方ないです。

度々出てくる通り、私はレガシィ(BP5)のユーザーで、その前はレガシィB4(BE5)と連続でレガシィに乗っていますが、初めて乗った車もスバルでした。その名もファミリーレックス。多分1980年頃の車で、RR・4輪独立懸架というスバル360以来の伝統フォーメーション。550CCで28PSという可愛いパワーでエアコン(クーラー)は別付けでした。

スバル・レックス550
今思えば変わった車で、エンジンはリアカーゴルームの床を剥がすとその下にスタンバイ。フロントエンジンルームはラジエータとバッテリ位なので、カーゴスペースとして使えました。ミッションはオートクラッチというこれまた変わった方式で、一見マニュアル車ですが、クラッチペダルがない。シフトノブにスイッチが内蔵されていて、ノブを握るとスイッチが入りクラッチが離れるので、その間にシフトチェンジという離れ業。なのでシフト操作はマニュアルと同じですが半クラッチとかは出来ず坂道では滑ります。その制御は運転席シート下の、ブラックボックスが行っていて(本当に黒い箱だった)、2回ほどトラブって交換しました(やっぱ電子系は得意でなかった?)。トラブった場合、クラッチが離れっぱなしになって、エンジンは元気なんだけど動力が伝わらず走らないという情けない状況になります。一度はガソリンスタンドで起こって、出発できずそのままJAFさんに牽引頂きました。

リアエンジンがよく判ります
も一つ特徴だったのは合わせホイール。リムが左右で分かれているスチールホイールで昔は多かったそうです。タイヤ交換しようとオートバックスに持ち込んでアルミホイールセット商品を買ったら、交換作業中に整備スタッフがやって来て、「合わせホイールはウチでは出来ないんでタイヤだけ交換しまーす」と言われたのを覚えています。その時は詳細は理解できませんでしたが、珍品である事だけは判りました。

28PSですから坂道は大変。クーラー切るのは当然で、それでもリアからの爆音の割に速度は上がらず、まさに人馬一体で走ってました。初めての愛車で大事に乗っていたのですが、ベースが商用車なので助手席のドアロック解除が車内からしか行えず、結婚し子供が生まれ、使い勝手がNGという事で3年程でマツダ製のフォード・フェスティバに乗り換えました。が、今思えば、車体はフェスティバよりレックスの方が堅牢だった感じで、富士重工らしい素朴な技術を集めた軽自動車でした。

話は飛びます。

富士重改名と同じ4/1、お蔭様で、二人目の孫が無事に生まれました。(∴自転車どころではなかった)
二人目を産んだ長女を見ていて、昨年衝撃を与えた短編動画「Shelter」の主人公・凛に父親が与えたものを思い浮かべていました。シェルターとVRシステムに較べると余りに剥き出しで露骨な分娩室と病室だけど、凛の父が涙を堪えて与えようとした希望へのアプローチの切なさよりは温かいな と。

「Shelter」では、タブレットに描かれた絵からVRに造形される世界とは異なる、アナログな幼い頃の思い出のフラッシュバックに、凛は父の想いを悟り「ひとりじゃない、ありがとう」と涙しますが、それでも宇宙空間をひた進むシェルターの現実は変わらない。何て切ないミライ。

この孫が成人するのは2035年です。VRやAR(Augmented Reality)は更に発展し、もしかしたらCR(Cycling Road)にはARを使ったガイドが散在し、或はCRそのものがローラーの上に展開されるVRになっているかも知れません。しかしながら、自分の手足や皮膚で感じながら「自分の意志で走る」のが動物の本能です。バーチャルではありません。風向きをリアルタイムに読むことは出来ても、風を止めることは出来ないのです。

自然界に生きる以上、勘を失うことは死を意味します。BigDataの解析やリアルタイムのSensing&Controlに頼るだけでない本能を持ち続けてゆきたい。生まれたての赤ん坊を抱くと、斯様な不思議な思いが巡るものなのです。歳のせいかも知れませんが。

新生スバルさんにも、便利さだけでなく活き活きとできるミライを作って欲しいと思います。 
Let's Fly! & Mirai!

咲き始め

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